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中立から制裁実務へ

スイスの中立と経済制裁は、長らく両立しないものと考えられてきた。古典的な学説によれば、永世中立国は紛争の一方当事者に向けられた経済措置を差し控えるべきであるとされた。そのような措置は一方に与するものと受け取られうるからである。冷戦期の数十年間の実務は、ある程度の柔軟性をもってこの学説に従った。スイスは国際連合の加盟国ではなかったため、国連制裁に正式には参加しなかったが、スイスの領域が制裁の潜脱に利用されることは防ごうとした。1

イラクのクウェート侵攻が、この実務を変えた。イラクは1990年8月2日に侵攻した。安全保障理事会は8月6日に決議661を採択し、1990年8月7日、連邦参事会はイラク共和国に対する経済措置に関する命令を発し、国連の禁輸措置を自主的に実施した。2 同時代の人々は、この決定を従来からの転換とみた。法学者André Schallerは、これをスイスが国際連合の採択した制裁に明確に参加した初めての事例であると評したが、同時にそれが従前の実務との連続性の上にもあることを強調した。他方、連邦参事会は軍事面では慎重な姿勢を維持し、1990年12月には、米軍機の上空通過を負傷兵と医薬品の輸送に限って認めた。3

イラクに対する措置、および1990年代にこれに続いた多くの措置は、国益を守るために連邦参事会が命令を発することを認める連邦憲法に直接依拠していた。この権限は広範なものであったが、継続的な制裁実務のためにこれを用いることには疑問の余地があった。1998年以降、連邦参事会は、ユーゴスラビア連邦共和国に対する措置を皮切りに、国連決議に基づかない欧州連合(EU)の措置も採用するようになった。4 スイスはこの分野に知的な貢献をする国ともなった。1998年から2001年にかけて、スイスは標的型金融制裁に関するいわゆるインターラーケン・プロセスを主催し、個人および団体に対する資産凍結を、住民に害を及ぼすことなく意思決定者に打撃を与えるようにいかに設計しうるかについての手引書を作成した。経済省経済事務局(SECO)のRoland E. Vockは後に、このプロセスを「スマート制裁」へのスイスの貢献と評し、広範な基盤を持つ国際制裁への支持は、国際法を重んじる外交政策の利益に適うと記している。5

2002年の二つの出来事が、場当たり的な段階に終止符を打った。スイスは2002年9月10日に国際連合に加盟し、これにより安全保障理事会の非軍事的措置がスイスを拘束することとなった。同年、議会は禁輸法を採択した。同法は2003年1月1日に施行され、以来、スイスのすべての制裁命令の法律上の根拠となっている。6 拘束力ある国連の措置と、EUの措置の裁量的な採用との組合せが、今日もなおスイスの制度を特徴づけている。連邦参事会は、真に自主的なスイス独自の制度の下で自らの発意により人物を指定することはしない。連邦参事会が決定するのは、義務として国際連合に従うかどうか、そして任意にEUに従うかどうかである。

歴史的枠組みの最後の要素は、スイスにおける中立法そのものの理解である。公式の立場によれば、国際的武力紛争における中立国の行動を規律する中立法は軍事的事項に関わるものであり、経済制裁を禁止するものではない。SECOはそのウェブサイトで、非軍事的制裁への参加は中立法と両立し、平和と国際法の擁護はスイスが他の民主主義国と共有する価値であると述べている。7 中立が許容する経済措置と、中立法が制限する交戦国への武器供給との区別は、本章の以下の部分を貫いている。この区別は、スイスが2022年にロシアの資産数十億フランを凍結する一方で、同年、ドイツがスイス製の弾薬をウクライナに引き渡すことを拒んだ理由を説明するものである。

注

  1. 連邦参事会、Bericht zur Neutralität(1993年11月29日、93.098)、https://www.files.ethz.ch/isn/14853/rp_931129_neutrality_g.pdf。同報告は、南ローデシアの事例で採られた「courant normal」(制裁前の代表的な期間の平均水準に貿易を維持するもの)と、南アフリカに対する武器禁輸の自主的実施について記述している。 ↩
  2. SECO、「Sanktionsmassnahmen der Schweiz gegenüber der Republik Irak」、https://www.seco.admin.ch/de/massnahmen-gegenueber-irak。同ページは、Verordnung vom 7. August 1990 über Wirtschaftsmassnahmen gegenüber der Republik Irak(SR 946.206)を基礎となる命令として挙げており、同命令は改正された形で現在も効力を有する。一般的な貿易禁止は2003年6月25日に解除された。 ↩
  3. swissinfo.ch、「1991: Die Schweiz und der Golfkrieg」、https://www.swissinfo.ch/ger/1991--die-schweiz-und-der-golfkrieg/3175972。同記事は、Schallerの言葉(「Erstmals nahm die Schweiz klar an von der UNO getroffenen Sanktionen teil」)、および安全保障理事会における新たな構図に関する政治学者Aviva R. Schnurの見解を引用している。 ↩
  4. SECO、「Die Schweiz und internationale Sanktionen」、https://www.seco.admin.ch/de/schweiz-und-internationale-sanktionen。同ページは、スイスが1998年以降、EUの制裁など国連の枠組み外の制裁を採用するかどうかを個別に決定してきたと述べている。 ↩
  5. Roland E. Vock、「UNO-Sanktionen: Umsetzung in der Schweiz」、Die Volkswirtschaft、2005年11月1日、https://dievolkswirtschaft.ch/de/2005/11/vock-2-2/。Vockは、安全保障理事会の非軍事的強制措置が国連憲章第41条に基づき、国際法上拘束力を有することを説明している。 ↩
  6. SECO、「Die Schweiz und internationale Sanktionen」(前掲)。同ページは、国連加盟以降、スイスが安全保障理事会のすべての非軍事的強制措置を実施していること、および2003年1月1日以降、制裁命令が禁輸法に基づいて発せられていることを述べている。 ↩
  7. SECO、「FAQ – Sanktionen der Schweiz」、https://www.seco.admin.ch/de/faq-sanktionen-schweiz。同FAQはまた、スイスが現在28の制裁命令を維持しており、そのすべてが国連および/またはEUの採択した措置に基づくものであることを記している。 ↩

本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。

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