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再保険の形態

再保険の実務は、契約を二つの軸に沿って区別する。第一の軸は、リスクが契約の対象とされる方法に関わる。任意再保険では、各リスクが個別に再保険会社に提示され、再保険会社はこれを引き受けるか否かを自由に決めることができる。特約再保険又は義務的再保険では、当事者は、一定のポートフォリオのすべてのリスク、例えば出再者が特定の国で特定の年に引き受けたすべての火災保険契約が自動的に出再されることを、あらかじめ合意する。出再者はそれらを出再する義務を負い、再保険会社はそれらを引き受ける義務を負う。1

より古い形態である任意再保険は、出再者の特約の範囲外にある大規模な個別リスク、又はその限度額を超える大規模な個別リスク、例えば製油所、衛星の打上げ、大規模な橋梁などについて、今なお重要である。任意再保険は個別の引受審査を要するため、管理費用が高い。これに対して特約再保険は、出再者が再保険会社に相談することなく日常の業務を引き受けることを可能にし、再保険会社にはポートフォリオ全体の持分を与える。ポートフォリオ全体は、単一のリスクよりも統計的に評価しやすい。特約の下での経済的関係は、パートナーシップに近いものである。再保険会社は出再者の引受規律に依存し、出再者は、業績の悪い年にも再保険会社が特約を守る意思に依存する。この相互依存は、再保険における長期的関係の重要性と、支配的原則としての信義誠実の役割とを説明する。

第二の軸は、保険料及び損害が分担される方法に関わる。比例再保険では、再保険会社は各リスクの一定割合を引き受け、元受保険料の同じ割合を受け取る。ただし、出再者の募集費用及び管理費用を補償する手数料が差し引かれる。最も単純な形態はクォータ・シェアであり、再保険会社はポートフォリオのすべてのリスクの一定割合を引き受ける。BerkshireがSwiss Reの損害保険事業の20パーセントを引き受けた2008年のBerkshire Hathawayとの契約は、この種のクォータ・シェアをきわめて大規模に行ったものであった。サープラス特約では、出再者は各リスクを一定額、すなわち保有額まで保有し、再保険会社は保険金額のうち保有額を超える部分を、保有額の一定倍数まで引き受ける。サープラス特約により、出再者は小さなリスクを全額保有しつつ、大きなリスクの上位部分を出再することによってポートフォリオの均衡を図ることができる。

非比例再保険では、個別リスクとの結びつきが断たれる。再保険会社は、出再者の損害が合意された額、すなわち免責額又はプライオリティを超えた場合にのみ、合意された限度額まで支払う。保険料は、当該レイヤーに対する予想損害と再保険会社の資本コストのための付加とに基づいて、別途算定される。主な形態は、単一リスクの損害のうちプライオリティを超える部分を填補するリスクごとのエクセス・オブ・ロス、嵐や地震などの単一事象から生じる損害の合計を填補する大災害エクセス・オブ・ロス、及び一定の閾値を超える年間損害率から出再者を保護するストップ・ロスである。2大災害エクセス・オブ・ロスのプログラムは通常、複数のレイヤーで構成され、各レイヤーが再保険会社のパネルに付される。そのため、スイスの元受保険会社は、数十社の再保険会社がその保護に参加していることもある。

この区別は、契約の起草及び解釈に実務上の帰結をもたらす。比例特約では、再保険会社は最初の1フランから出再者の運命を共有するため、配分及び集積の問題は主として会計上生じる。これに対し、非比例契約では、すべてが損害事象の定義にかかっている。すなわち、嵐、パンデミック又は欠陥製品から生じる一連の請求が、一つのプライオリティと一つの限度額に服する一つの損害を構成するのか、それとも複数の損害を構成するのかである。世界貿易センター訴訟は元受保険証券に関するものであったが、同じ問題は大災害エクセス・オブ・ロス特約の下でも生じる。そこでは「時間条項(hours clause)」が、嵐又は洪水による損害をどれだけの期間にわたり一つの事象として集積できるかを定めている。COVID-19のパンデミックは、とりわけロンドン市場において、大災害カバーの下での事業中断損害の集積をめぐるまさにこの種の紛争の波を生んだ。3

再保険会社自身も再保険を購入する。これは再々保険(レトロセッション)と呼ばれ、それを引き受ける再保険会社はレトロセッショネアと呼ばれる。例えばカリフォルニアの地震リスクに過大なエクスポージャーを蓄積した再保険会社は、その一部を他の再保険会社又は資本市場に再々保険として移転することができる。サンフランシスコにおけるSwiss Reの正味損害が、840万フランの元受ベースの損害に対して430万フランであったことは、再々保険が1906年に既に確立した手法であったことを示している。今日、それはキャットボンドを通じても行われている。例えばSwiss Re自身のMatterhorn Reプログラムは、グループのポートフォリオのピーク・リスクを投資家に移転している。4再々保険はリスクをシステム全体に分散させるが、同時に依存の連鎖をも生み出す。1980年代後半のロンドンの再々保険市場の崩壊、いわゆるLMXスパイラルは、リスクがどこにあるのか誰にもわからなくなるまで、少数の参加者の間をリスクが循環しうることを示した。5

生命・医療再保険は、部分的に異なる規律に従う。ここでは、再保険会社は通常、死亡リスク、長寿リスク又は罹患リスクを、多くの場合危険保険料に基づく比例特約を通じて引き受ける。再保険会社はまた、成長する生命保険会社の募集費用を融資し、又は保険契約のクローズド・ブロック全体を引き継ぐこともある。生命保険事業の長期性のため、再保険会社の運用成績と将来の死亡率に関する前提とが収益性を左右する。前述のオーストラリア、イスラエル及び韓国における不採算の生命保険ポートフォリオの見直しは、この点を例証している。長期ポートフォリオの前提における誤りは、契約の引受けから何年も後に修正を要することがあるのである。

注

  1. Swiss Re, The essential guide to reinsurance, https://www.swissre.com/dam/jcr:d06472ab-2625-48cf-8b4e-7c7ac8aa63f0/The-essential-guide-to-reinsurance.pdf. ↩
  2. Swiss Re, The essential guide to reinsurance, https://www.swissre.com/dam/jcr:d06472ab-2625-48cf-8b4e-7c7ac8aa63f0/The-essential-guide-to-reinsurance.pdf. ↩
  3. イングランド及びウェールズ控訴院, Unipolsai Assicurazioni SpA v Covéa Insurance plc [2024] EWCA Civ 1110, 2024年9月30日判決, https://caselaw.nationalarchives.gov.uk/ewca/civ/2024/1110. 仲裁判断に対する本上訴は、COVID-19による事業中断損害が、168時間条項を伴う大災害エクセス・オブ・ロス再保険の下で一つの「catastrophe」から生じたものであるか否かに関するものであった。 ↩
  4. “Swiss Re secures targeted $65m Matterhorn Re 2025-2 retro cat bond at low-end pricing”, Artemis, https://www.artemis.bm/news/swiss-re-secures-targeted-65m-matterhorn-re-2025-2-retro-cat-bond-at-low-end-pricing/. ↩
  5. 英語版Wikipedia, “Lloyd's of London”, https://en.wikipedia.org/wiki/Lloyd%27s_of_London. 同項目は、1988年のパイパー・アルファ爆発事故の後、引受人が「initially had no idea how extensive their exposure was: the loss was passed around in what became known as the London market excess of loss (LMX) ‘spiral’」と述べている。 ↩

本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。

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