プロジェクト
ロシアからドイツへバルト海を通るガスパイプラインの構想は、1990年代に遡る。それが具体化したのは2005年であり、ロシアの国営ガス会社Gazpromとドイツの会社BASFおよびE.ONが、その建設に合意した。このパイプラインは、それまでロシア産ガスが西欧に届く経路であった通過国ウクライナ、ベラルーシおよびポーランドを迂回するものであった。ゲアハルト・シュレーダー首相の下のドイツ政府が支持したこの合意は、ドイツ連邦議会選挙の直前の2005年9月に署名された。1
各社はパイプラインを建設・運営するための合弁会社を設立した。当初North European Gas Pipeline Companyと称し、2006年にNord Stream AGに改称されたこの合弁会社は、ツークで設立された。2 Gazpromは株式の51パーセントを保有した。その他の株主はBASFの子会社WintershallおよびE.ON Ruhrgasであり、オランダのガス会社GasunieとフランスのGDF Suezがそれぞれ9パーセントを取得して参加した後は、それぞれ15.5パーセントを保有した。3 ゲアハルト・シュレーダーは首相退任の直後に株主委員会の委員長に就任したが、この就任はドイツで広く批判された。業務執行役員は、旧東ドイツ国家保安省の元将校であり、1980年代後半からウラジーミル・プーチンと知り合いであったと報じられているマティアス・ヴァルニッヒであった。4
注
- RFE/RL, "Russia: Putin, Schroeder Ratify Pipeline Deal", 2005年9月8日, rferl.org/a/1061242.html:2005年9月8日、ドイツ連邦議会選挙の10日前に、プーチンおよびシュレーダーの立会いの下、Gazpromとドイツの会社がベルリンで合意に署名した。署名は10月から前倒しされていた。Gazprom, プレスリリース "BASF, E.ON and Gazprom Sign Agreement on North European Gas Pipeline Through the Baltic", 2005年9月, gazprom.com:署名者はOAO Gazprom、BASF AGおよびE.ON AGであり、プーチン大統領およびシュレーダー首相が立ち会った。 ↩
- 欧州議会, ブリーフィング資料 "Das Projekt Nord-Stream-Gaspipeline", europarl.europa.eu(meetdocs 2004–2009, dv/703356):Nord Stream AGは2005年12月にツークを本拠として設立された。正確な日付(2005年11月30日設立、2006年10月4日までの名称はNorth European Gas Pipeline Company)は、Wikipedia, "Nord Stream AG", en.wikipedia.orgによる。商業登記簿謄本は参照しておらず、両資料の間では設立の月について若干の相違がある。 ↩
- Nord Stream AG, "Our Shareholders", nord-stream.com:Gazprom 51パーセント、Wintershall Dea 15.5パーセント、ENGIE 9パーセント、その他の株主としてE.ON(PEG Infrastruktur AG)およびN.V. Nederlandse Gasunie。完全な内訳(PEG Infrastruktur 15.5パーセント、Gasunie 9パーセント)はWikipedia, "Nord Stream AG", en.wikipedia.orgによる。Nord Stream AG, プレスリリース "Nord Stream Completes Phase I Financing", 2010年3月16日, nord-stream.com:GDF Suezの参加以前の持分は、Gazprom 51パーセント、Wintershall 20パーセント、E.ON Ruhrgas 20パーセント、Gasunie 9パーセントであった。 ↩
- Lobbypedia, "Gerhard Schröder", lobbypedia.de:2006年からNord Stream AGの株主委員会委員長。t-online, "Matthias Warnig: Das ist der Deutsche, dem Putin vertraut", 2025年3月3日, t-online.de:ヴァルニッヒは1974年にシュタージに入り、プーチンがドレスデンでKGB将校であった1980年代に初めてプーチンと会ったとみられる(ヴァルニッヒ自身は、初めて会ったのは1991年であると述べている)。Nord Stream AG, 開通に関するプレスリリース, 2011年11月8日, nord-stream.com:業務執行役員としてのヴァルニッヒ。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。