英語による労働法
ツークの国際企業における雇用契約は、通常英語で起草される。主にスイス債務法および労働法に定められたスイスの労働法制は、言語にかかわらずこれらの契約に適用される。使用者は雇用の主要な条件を書面で被用者に通知しなければならず、労働時間、休暇、疾病期間中の賃金、解約予告期間および解雇保護に関する強行規定を遵守しなければならない。1国際的な使用者は、時として本国の契約書式を用いるが、それがスイス法に適合しないことがある。例えば、スイス法が認めない解約予告期間や競業避止条項を含む場合である。
雇用契約から生じる紛争は、州の労働裁判所または通常の民事裁判所においてドイツ語で審理される。ドイツ語を話さない被用者は、通訳人を利用するか、両言語で業務を行う弁護士に頼らなければならない。訴額3万フランまでの紛争については、手続に裁判費用がかからず、裁判所は手続の簡素化に努める。2英語の契約とドイツ語の手続という組合せは、自らの権利を行使しようとする外国人被用者にとって実務上の負担となる。それは、国際企業における労働紛争がしばしば裁判外で和解される理由の一つである。
注
- スイス債務法(CO)、条文はswissrights.chに掲載(2023年版):第330b条第1項(期間の定めのない雇用または1か月を超える雇用の場合、使用者は遅くとも雇用開始後1か月以内に、当事者の氏名、開始日、職務、賃金および週労働時間を書面で被用者に通知しなければならない);第361条第1項(絶対的強行規定。時間外労働に関する第321c条および濫用的解雇に関する第336条ないし第336b条を含む)および第362条第1項(被用者に不利に変更することのできない規定。疾病期間中の賃金に関する第324a条、休暇に関する第329a条、解約予告期間に関する第335c条および不適切な時期における解雇に関する第336c条を含む)。 ↩
- スイス民事訴訟法(ZPO)、条文はapp.zpo-cpc.chに掲載:第114条c号(訴額3万スイスフランまでの雇用関係から生じる紛争については、判決手続において裁判費用を徴収しない)および第243条第1項(訴額3万スイスフランまでの金銭的紛争に関する簡易手続)。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。