スイスにおける個人顧客の課税
スイスは個人に対して穏当かつ予測可能な課税を行い、動産に係る私的なキャピタルゲインには課税しない。スイスに移住する企業家にとって、州の選択と移住の適切な時期が、どれだけの資産を手元に残せるかを決定する。
所得税と富裕税
スイスに居住する個人は、最高11.5パーセントの連邦所得税(連邦直接税法(DBG)第214条第1項)に加え、州および基礎自治体(ゲマインデ)の所得税を納付するが、後者は州によって大きく異なる。州はまた、外国の不動産および外国の恒久的施設を除く全世界の純資産に対して年次の富裕税を課す(税調和法(StHG)第13条。DBG第6条第1項は所得について同じ国外所得免除方式を適用している)。
キャピタルゲイン
株式を含む私的な動産の売却益は非課税である(DBG第16条第3項、StHG第7条第4項b号)。例外は職業的証券取引業者であり、その利益は事業所得として課税される。スイスの不動産に係る売却益には、州の不動産譲渡益税が課される(StHG第12条)。
支出課税(一括課税)
初めて、または国外で10年を過ごした後にスイスに居住し、スイスで就労しない外国人は、所得および資産に代えて支出に基づいて課税されることができる(DBG第14条、StHG第6条)。連邦税については、課税標準は住居の年間賃料または賃貸価値の7倍以上、かつ40万スイスフラン以上である(DBG第14条第3項)。州は独自の最低額を定めている。チューリッヒ州、バーゼル=シュタット州、バーゼル=ラントシャフト州をはじめとするいくつかの州は、支出課税を廃止している。
相続税と贈与税
連邦の相続税は存在しない。州は相続税および贈与税を課すが、配偶者はすべての州で、直系卑属は大半の州で免除される。シュヴィーツ州およびオプヴァルデン州は、相続税も贈与税も一切課していない。
実務上のポイント
- 支出課税が利用可能な場合は、移住前に支出課税に関する事前確認(ルーリング)を交渉する。
- 持分の売却や再編は慎重に行う。私的なキャピタルゲインの非課税には限界があり、とりわけ自らが支配する会社への売却についてそうである。
- 移住と本国からの出国を併せて計画する。本国の出国課税は、スイスの税よりも高くつくことが多い。
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。