欧州司法裁判所への付託と2026年の判決
2024年10月15日、国務院第6部は、欧州連合司法裁判所に6つの問題を付託した。最初の問題は、指令2015/849にいう信託に類似する法的アレンジメントの定義、およびそのようなアレンジメントに関する加盟国の欧州委員会への通知の拘束力に関するものであった。他の問題は、イタリアの信託的委任がそのようなアレンジメントに該当するか、およびそれを含めることが比例的であるかを問うものであった。最後の問題は、同指令の関連規定の有効性および私人による登録簿へのアクセスに関するものであった。1 イタリアにおける手続は停止され、会社および信託会社は、同裁判所が判断を下すまで、その実質的支配者を届け出ることを要しないとされた。
欧州連合司法裁判所は、2026年5月21日、併合事件C-684/24およびC- 685/24、Across FiduciariaおよびUnione Fiduciariaにおいて判決を下した。同裁判所は、信託会社の主要な主張を退けた。所有権の移転がないことは、その構造または機能が類似している場合に、イタリアの信託的委任を信託に類似する法的アレンジメントとして扱うことを妨げない。正当な利益を有する者による実質的支配者情報へのアクセスは、アクセスが比例的な基準に従い、かつ利害関係人が免除を申請する際に暫定的な法的保護を得ることができる限り、それ自体としてプライバシーおよび個人データの保護に対する権利と両立しないものではない。2 イタリアの報道機関は、この判決を登録簿の凍結を解くものとして歓迎し、事件は判断のため国務院に差し戻された。3
再稼働と2026年9月時点の状況
イタリアの立法者は、国務院の判断を待たなかった。2026年立法令第122号は、2026年7月8日に公布され、2026年7月23日に施行された。同令は政府に対し、届出のための技術仕様およびデータ・セキュリティに関する技術規則を更新するための60日の期間を与えた。後者についてはデータ保護当局の承認を要する。同じ期間内に、省令によってシステムが運用可能であることが確認されることとされていた。60日の期間は、措置が採択されないまま2026年9月21日に満了した。2026年9月末時点で、登録簿はなお運用されておらず、国務院の判断もなお待たれていた。4 実務家は、省令が採択され次第、短い期限で届出義務が復活することを想定しておくべきである。ItaliaOggiは2026年、約130万件の届出が更新されなければならないと推計した。5
EUの新たなマネー・ローンダリング対策の枠組みは、さらなる展望を加える。規則(EU)2024/1624および指令(EU)2024/1640(AMLD6)は、実質的支配者登録簿に関する規則を改めて定め、正当な利益をより正確に定義するものであり、大部分が2027年7月から適用される。6 ItaliaOggiは、AMLD6の国内法化が登録簿の再稼働と並行して進められていると報じた。7
注
- "Registro dei titolari effettivi: la questione passa alla Corte di giustizia UE", dirittobancario.it、2024年10月16日、https://www.dirittobancario.it/art/registro-dei-titolari-effettivi-la-questione-passa-alla-corte-di-giustizia-ue/(国務院第6部、2024年10月15日の命令。6つの問題。届出義務の停止)。 ↩
- Crowe Bompani, "Registro titolari effettivi, 21 maggio 2026"、https://www.crowe.com/it/crowebompani/news/titolari-effettivi-21-maggio-2026。Giustizia amministrativa、2026年7月6日のニュースレター第26号、https://www.giustizia-amministrativa.it/documents/20142/91177914/Newsletter%20n. %2026%20del%206%20luglio%202026..pdf/9c682b26-c032-403c-a29d-e33d4cd49114/(欧州連合司法裁判所、2026年5月21日の判決、併合事件C-684/24およびC-685/24、Across Fiduciaria SpAおよびUnione Fiduciaria SpA。免除が拒否された場合の暫定的な法的保護)。 ↩
- "Registro titolari effettivi, il sistema si riattiva: ecco come", ItaliaOggi、2026年5月24日、https://www.italiaoggi.it/diritto-e-fisco/fisco/registro-titolari-effettivi-il-sistema-si-riattiva-ecco-come-xy6stfg6。 ↩
- "Titolari effettivi, registro ancora bloccato: scaduti i 60 giorni per i decreti attuativi", ItaliaOggi、2026年9月23日、https://www.italiaoggi.it/diritto-e-fisco/fisco/titolari-effettivi-registro-ancora-bloccato-scaduti-i-60-giorni-per-i-decreti-attuativi-dbdu3pjn。 ↩
- "Registro titolari effettivi, dopo il sì della Corte Ue si attende il Consiglio di Stato: da aggiornare 1,3 milioni di pratiche", ItaliaOggi、2026年、https://www.italiaoggi.it/diritto-e-fisco/registro-titolari-effettivi-dopo-il-si-della-corte-ue-si-attende-il-consiglio-di-stato-da-aggiornare-1-3-milioni-di-pratiche-xd2of5b4。 ↩
- マネー・ローンダリングまたはテロ資金供与の目的での金融システムの利用の防止に関する2024年5月31日の欧州議会および理事会規則(EU)2024/1624、2024年6月19日のEU官報L、https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/? uri=CELEX:32024R1624。2024年5月31日の指令(EU)2024/1640(AMLD6)、2024年6月19日のEU官報L、中央登録簿および正当な利益に関する第10条から第13条、https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:32024L1640。 ↩
- ItaliaOggi、2026年5月24日(前掲)。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。