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金融センターとしてのミラノ

ミラノはイタリアの金融の首都である。そこには、イタリア証券取引所、イタリア最大手の銀行グループの業務本部、そしてイタリアの企業および家族にサービスを提供する資産運用会社、保険会社、法律事務所およびコンサルティング会社の大部分が所在する。ローマに本部を置くイタリアの証券規制当局CONSOBはミラノに第二の事務所を置いており、イタリア銀行も、すべての州都に有する支店の一つをミラノに維持している。1 証券取引所であるBorsa Italianaは、1998年に民営化され、2007年10月1日に全額株式交換による買収によりロンドン証券取引所と統合された。ロンドンのグループが2020年にRefinitivの買収を確実にするためにイタリアの資産を売却することを決定した際、Euronextがこれを買収した。この取引は2021年4月29日に44億4,400万ユーロで完了し、債券取引プラットフォームMTS、清算機関Cassa di Compensazione e Garanzia、および中央証券預託機関Monte Titoliを含んでいた。Cassa Depositi e PrestitiはCDP Equityを通じて、Intesa Sanpaoloとともに、5億7,900万ユーロの私募によりEuronextの主要株主となった。2

Euronextへの統合は、ロンドンの所有下では有していなかった欧州の市場インフラにおける機能をミラノに与えた。イタリアの清算機関は、Euronext Clearingと改称され、グループ全体の中央清算機関となった。同機関は、2023年11月にすべてのEuronext市場の現物株式の清算を、2024年7月にコモディティ・デリバティブの清算を、そして2024年9月には、EuronextがLCH SAとの契約関係を終了したことに伴い金融デリバティブの清算を引き継いだ。Euronextによれば、Euronext Clearingは担保額で欧州第3位の清算機関となった。3 証券取引の決済は、中央証券預託機関Monte Titoli S.p.A.に残り、同社は現在Euronext Securities Milanの商号で運営されている。4 銀行が顧客のためにイタリアの株式および国債の大きなポートフォリオを保有するルガーノのような地域金融センターにとって、これらの変化は実務上の意味を持つ。すなわち、顧客資産のうちイタリア部分の多くを決済し保管する市場インフラは、今や清算機能をイタリアに置く汎欧州グループに属しているのである。

ブレグジット後のミラノ

2020年の英国の欧州連合(EU)離脱は、いくつかの点でミラノに利益をもたらした。もっとも、ロンドンを拠点とする銀行の移転先として、ミラノがパリ、フランクフルト、ダブリンまたはアムステルダムの競争相手となったわけではない。最も目に見える制度的な利得は、特許訴訟の分野におけるものであった。2023年6月1日に発効した統一特許裁判所協定の下では、新たな裁判所の中央部はパリ、ミュンヘンおよびロンドンに置かれることとされていた。英国の離脱後、イタリア、フランスおよびドイツは第三の部をミラノに割り当てることに合意し、この決定は2023年6月26日に同裁判所の運営委員会によって承認された。ミラノ部は、国際特許分類のセクションA、すなわち医薬品および食品を含む「生活必需品」を対象とする特許について管轄権を有する。同部は2024年6月に業務を開始した。5

第二の利得は個人資産に関するものであった。2017年、イタリアは所得税統一法典(TUIR)第24-bis条において新規居住者のための一括課税制度を導入した。これによれば、過去10年のうち少なくとも9年間イタリアに居住していなかった個人は、最長15年間、すべての国外源泉所得について年額固定の代替税を納付することができる。その額は当初10万ユーロであった。2024年8月10日以降に居住地を移転する者については20万ユーロに引き上げられ、家族1人当たり2万5,000ユーロとされた。2026年予算法(2025年12月30日法律第199号)は、2026年1月1日以降に行使される選択について、その額を30万ユーロに、家族1人当たりの額を5万ユーロに引き上げた。それ以前に選択を行使した者は、その時点で適用された額を維持する。6 この制度は、ロンドンその他の地から富裕な個人をミラノに引き寄せ、ロンバルディア州の州都を、ティチーノ州が長く自らのものとみなしてきた顧客層、すなわち全世界所得についてイタリアで課税されることなくイタリアの近くに住みたいと望む事業者、金融家および相続人をめぐるルガーノの競争相手とした。第E.V章はイタリアの制度をスイスの支出課税(一括課税)と比較し、第K.I章はミラノとルガーノとの競争を評価している。

注

  1. CONSOB, "Chi siamo"、https://www.consob.it/web/consob/chi-siamo(本部はローマ、Via G. B. Martini 3、事務所はミラノ、Via Broletto 7)。Banca d'Italia, "Organizzazione"、https://www.bancaditalia.it/chi-siamo/organizzazione/index.html(州都および一部の県都における支店)。 ↩
  2. Euronext, "Euronext today completes the acquisition of the Borsa Italiana Group and publishes Q1 2021 results"、2021年4月29日、https://www.euronext.com/en/investor-relations/financial-information/regulated-information-and-investor-news/euronext-today。1998年の民営化および2007年10月1日のロンドン証券取引所との統合:Wikipedia, "Borsa Italiana"、https://en.wikipedia.org/wiki/Borsa_Italiana。Refinitiv取引を確実にするためのイタリア資産の売却および2020年9月18日からのEuronextとの独占交渉:Wikipedia, "London Stock Exchange Group"、https://en.wikipedia.org/wiki/London_Stock_Exchange_Group。Wikipediaはここでは最後の手段として用いている。 ↩
  3. Euronext, "Successful expansion of Euronext Clearing to all Euronext financial derivatives markets"、2024年9月17日、https://euronext.com/en/about/media/euronext-press-releases/successful-expansion-euronext-clearing-all-euronext-financial。 ↩
  4. Euronext, "Euronext Securities Milan"、https://www.euronext.com/en/post-trade/euronext-securities/milan(「Euronext Securities Milan is the new commercial name for the legal entity Monte Titoli S.p.A.」)。 ↩
  5. "Il Tribunale dei brevetti va a Milano", Eunews、2023年6月26日、https://www.eunews.it/2023/06/26/tribunale-brevetti-milano/。 ↩
  6. "Flat Tax For New Residents In Italy: Present And Future", Mondaq、2025年12月4日、https://webiis08.mondaq.com/italy/tax-authorities/1713758/flat-tax-for-new-residents-in-italy-present-and-future。現行版のTUIR第24-bis条第2項、https://www.brocardi.it/testo-unico-imposte-redditi/titolo-i/capo-i/art24bis.html(30万ユーロ、家族1人当たり5万ユーロ。法律第199/2025号により改正)。deQuo, "Flat tax neo-residenti"、2026年5月21日、https://www.dequo.it/articoli/flat-tax-neo-residenti(2025年12月30日法律第199号。2026年1月1日より前に行使された選択は従前の額を維持する)。第E.V章を参照。 ↩

本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。

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