イタリアからの出国:2024年以後の個人の居住地
旧基準から2023年改革へ
イタリアの所得税は、居住者についてはその全世界所得に、非居住者についてはイタリアで生じた所得にのみ課される。したがって、すべては所得税統一法典(Testo unico delle imposte sui redditi、TUIR)第2条における居住者の定義にかかっている。2023年まで、同条は三つの択一的な基準を定めていた。課税期間の大半にわたり、住民登録簿(anagrafe della popolazione residente)に登録されているか、民法典の意味における住所または居所をイタリアに有する者は、居住者とされた。民法典第43条によれば、住所とは、その者が事業および利益の主たる本拠を定めた場所であり、居所とは、常居の場所である。1住民登録簿への登録は、一方向については決定的な基準として機能した。すなわち、登録を維持している者は、事実関係のいかんを問わず居住者とされた。他方、登録の抹消は何も証明しなかった。当局はなお、住所または居所がイタリアにとどまっていることを示すことができたからである。
2023年の税制改革の授権法に基づいて発出された2023年12月27日の立法令第209号は、2024年1月1日付でTUIR第2条第2項を全面的に改めた。同項は現在、「課税期間の大半にわたり、1日未満の端数も考慮して、民法典の意味における居所もしくは住所を国の領域内に有し、またはそこに所在する」者を居住者とみなすと定めている。同項の適用上、住所とは「その者の個人的および家族的関係が主として展開される場所」をいう。課税期間の大半にわたり住民登録簿に登録されている者は、「反証がない限り」居住者と推定される。2歳入庁は、2024年11月4日の通達第20/E号において、設例を含む約30ページの文書で新たな規則を解説した。3
個人的・家族的関係の中心としての住所
企業家にとって最も重要な変更は、住所の新たな税法上の定義である。民法上の問題を引き続き規律する民法典の定義は、事業と利益に着目している。この定義の下で、イタリアの裁判所は、国外に移転したもののイタリアの会社の経営を続けている者を、その経済的利益の主たる本拠がイタリアにとどまっているとして、しばしばイタリアに住所を有するものとして扱った。新たな税法上の定義は、個人的および家族的関係に着目している。通達の要約によれば、新規則は経済的関係よりも個人的・家族的関係を優先させるため、ある者が事業を営む場所は、もはやそれだけでその者の住所を決定しない。4配偶者と未成年の子とともにルガーノに移転する企業家にとって、この改革はその立場を改善する。その企業家は、それによってイタリアの住所を保持することなく、イタリアの会社の取締役会にとどまり、あるいはその会社を所有し続けることができる。
この改革は、単身で移転する企業家の助けにはならない。配偶者と子がミラノにとどまる場合、個人的・家族的関係が主として展開される場所は、企業家の住所がどこであれ、またルガーノで何泊しようと、ミラノである可能性が高い。イタリアで子の監護を分担する別居中の配偶者、新たなパートナーがイタリアに住む企業家、そして社会生活がイタリアの町に結び付いたままの高齢の企業家についても同様である。「主として」という文言は関係の比較衡量を要求するため、当局は、その者が週末と休暇をどこで過ごすか、子がどこの学校に通っているか、かかりつけ医がどこにいるか、友人や所属団体がどこにあるかを検討することになる。この基準は個人的なものであり、そのために、旧来の経済的基準よりも、作出することは難しく、証明することは容易である。
注
- Codice civile第43条第1項および第2項、Brocardi.itの条文、https://www.brocardi.it/codice-civile/libro-primo/titolo-iii/art43.html(「Il domicilio di una persona è nel luogo in cui essa ha stabilito la sede principale dei suoi affari e interessi」;「La residenza è nel luogo in cui la persona ha la dimora abituale」)。TUIR第2条第2項の旧規定はこれらの定義を参照していた。 ↩
- 2023年12月27日の立法令第209号第1条第1項により改正されたTUIR第2条第2項、Brocardi.itの条文、https://brocardi.it/testo-unico-imposte-redditi/titolo-i/capo-i/art2.html(「per la maggior parte del periodo d'imposta, considerando anche le frazioni di giorno, hanno la residenza ai sensi del codice civile o il domicilio nel territorio dello Stato ovvero sono ivi presenti」;「il luogo in cui si sviluppano, in via principale, le relazioni personali e familiari della persona」;「Salvo prova contraria」)。 ↩
- Agenzia delle Entrate, Circolare n. 20/E(2024年11月4日)、FiscoeTasseのプレスレビュー第1236号における要約、https://www.fiscoetasse.com/new-rassegna-stampa/1236-residenza-fiscale-persone-fisiche-novita-illustrate-dallade.html。 ↩
- FiscoeTasse、プレスレビュー第1236号(前掲)(「viene riconosciuta prevalenza alle relazioni personali e familiari piuttosto che a quelle economiche」)。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。