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クロスボーダー資産とブッキングセンター

第二の指標は、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が毎年公表するGlobal Wealth Reportであり、所有者の居住国以外で記帳されている金融資産を推計している。2025年のデータに基づく2026年版は、世界の金融資産を333兆米ドル、クロスボーダー金融資産を15兆7,000億米ドルと推計しており、後者は8.4%増加していた。1 香港は初めてスイスと並んで最大の記帳センターとなり、いずれも約2兆9,000億米ドルであった。香港で記帳されたクロスボーダー資産は10.7%、スイスでは7.6%増加した。BCGは、2030年までに香港がスイスを明確に引き離すと予測する一方、とりわけ中東からの資産が安全な避難先としてスイスに流入していることを指摘した。2 アラブ首長国連邦で記帳されたクロスボーダー資産は11.1%増加した。3

スイス銀行協会は、独自の統計から比較可能な数値を公表している。同協会の2026年8月のBanking Barometerによれば、スイスの銀行が保有するクロスボーダーの個人顧客資産は2025年末時点で2兆9,457億スイスフランであり、為替調整後で7.6%の増加であった。スイスの銀行の運用資産総額は2025年末に9兆7,291億スイスフランに達し、2026年6月末には過去最高の10兆1,195億スイスフランとなった。これらの資産に占める外国顧客の割合は、2015年の49.3%から2025年には45.9%に低下した。4 外国顧客の割合が長期的に低下していることは、未申告のオフショア・バンキングの終焉と、国内資産および機関投資家資産の増加を反映している。これは、第E.I章で述べたルガーノの国際プライベートバンキング業務の縮小の、全国的な背景をなしている。

ルガーノ独自の統計が示しうること、示しえないこと

いかなる比較においても困難なのは、これらの総額に占めるルガーノの割合が不明であることである。州(カントン)の統計局であるティチーノ州統計局(USTAT)は、ティチーノ州の銀行数(2024年末時点で39行)とその雇用(2023年に5,584人、フルタイム換算で5,218人)を記録している。同局は、プライベートバンキングがティチーノ金融センターの主たる業務であるとしつつも、スイス国立銀行(SNB)が州ごとの運用資産を公表していないため、その規模は「non è però precisamente conosciuta」、すなわち正確には分かっていないと述べている。5 ティチーノ州で運用されている資産の推計は報道や業界団体の報告書に出回っているが、いずれも公表された統計系列に基づくものではなく、本章はこれを用いない。したがって規模の比較は雇用と付加価値に依拠せざるをえず、第E.I章で示したとおり、ティチーノ州はスイスの銀行雇用の約5.7%を占めている。6

数値で見ると、2026年3月のグローバル金融センター指数(GFCI)において、ルガーノは120の金融センター中25位であり、チューリッヒは11位、ジュネーブは18位であった。7 2025年の世界のクロスボーダー金融資産は15兆7,000億米ドルであり、そのうちスイスと香港がそれぞれ約2兆9,000億米ドルを記帳していた。8 スイスの銀行は、2025年末時点で2兆9,457億スイスフランのクロスボーダー個人顧客資産を保有し、2026年6月末時点の運用資産総額は10兆1,195億スイスフランであった。9 ティチーノ州には2024年に39の銀行があり、2023年の銀行業の雇用はフルタイム換算で5,218人であった。10

注

  1. 「Hong Kong overtakes Switzerland as top cross-border wealth hub」、Private Banker International、2026年、https://www.privatebankerinternational.com/news/hong-kong-overtakes-switzerland-as-top-cross-border-wealth-hub/。Boston Consulting Group, Global Wealth Report 2026 に関する報道。 ↩
  2. 「Switzerland loses its leading position in offshore banking」、blue News、2026年5月27日、https://www.bluewin.ch/en/news/switzerland-loses-its-leading-position-in-offshore-banking-li.3251778。同報告書に関する報道であり、2030年までに香港がスイスを明確に上回るとのBCGの予測、および中東からの資金流入に関する指摘を含む。 ↩
  3. Private Banker International(前掲)。 ↩
  4. スイス銀行協会、Banking Barometer 2026(2026年8月)、ティチーノ銀行協会(Associazione Bancaria Ticinese)のウェブサイトに掲載、https://www.abti.ch/sito/wp-content/uploads/Banking-barometer_2026.pdf。 ↩
  5. Ufficio di statistica del Cantone Ticino(USTAT)、12 Denaro e banche(Giubiasco、2026年3月)、https://www.abti.ch/sito/wp-content/uploads/Denaro-e-banche-2026.pdf。 ↩
  6. 第E.I章を参照。同章はこの割合をUSTATおよびスイス銀行協会のデータから導いている。 ↩
  7. GFCI 39(前掲)。 ↩
  8. Private Banker International(前掲)、blue News(前掲)。 ↩
  9. スイス銀行協会、Banking Barometer 2026(前掲)。 ↩
  10. USTAT、12 Denaro e banche(前掲)。 ↩

本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。

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