雇用一人当たりの付加価値
連邦統計局が2024年について計測した192億スイスフランの付加価値を、厳密な意味でのコモディティ取引の雇用と対比すると、雇用当たりの付加価値は100万スイスフラン程度となり、スイス経済の平均の数倍であって、銀行業のそれをも上回る。1 この例外的な比率は、事業の性質によって説明される。数百名のトレーダーとその支援チームが、集約的な人的資本と、物品がスイスに所在しないためスイスにはほとんど存在しない物的資本とをもって、相当な取扱量からマージンを生み出している。それはまた変動性をも説明する。取引の付加価値はマージンに依存し、マージンは価格とその変動に依存する。このことは、過去最高の利益とそれに続く減少が見られた2020年から2023年の各年が示したとおりである。
州にとって、この生産性には二つの顔がある。それは少ない雇用で税収と高い給与を生み出し、労働集約的なセクターと比べて住宅とインフラへの圧力を抑える。しかし同時に、第I章がグループ構造に関して指摘したように、雇用が移動することなく利益を他所に帰属させうる移動性の高い活動に、州を依存させる。連邦統計局が着手した州別の付加価値の計測により、この所在の推移を時系列で追うことが可能になるであろう。
注
- 連邦統計局, “Négociants en matières premières”(コモディティ商社)、2025年11月、前掲。筆者の計算による。 ↩
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