源泉税と資本拠出準備金
株主への分配は、別の一連の税務問題を生じさせる。スイスは、スイスの会社が支払う配当に35パーセントの源泉税を課している。スイス居住者である株主は、所得を申告すれば全額の還付を請求でき、外国の株主は二重課税防止条約(租税条約)に基づき全額または一部の還付を受けることができる。1 RocheやNovartisのように国際的な株主層を有する広く保有された会社にとって、源泉税は還付請求を行わなければならない外国投資家に事務的負担を生じさせ、また一部の類型の投資家にとってスイス株式の魅力を低下させる。第E部では、源泉税がスイス居住者による脱税に対する担保手段としても機能してきたことを述べた。
2008年2月24日の国民投票において僅差で承認され、2011年1月1日から施行された法人税改革IIは、資本拠出原則を導入した。この原則のもとでは、1997年以降に株主が行った資本拠出の払戻しは源泉税が免除され、個人株主については所得税も免除される。2 この改革は、連邦参事会の見積りをはるかに上回る効果をもたらすことが判明した。スイスに本社を移転した外国グループを含む多くの会社が多額の資本拠出準備金を有しており、これを源泉税なしで分配できるようになったからである。税収減は政治的に大きな論争の的となった。
税制改革およびAHV財源に関する連邦法(STAF)は、上場会社についてこの原則を制限した。2020年以降、スイスの上場会社は、少なくとも同額を課税対象の配当として分配する場合に限り、資本拠出準備金を源泉税なしで払い戻すことができ、また資本拠出準備金を充当して自社株を買い戻すことができるのは買戻し額の半分の範囲に限られる。3 資本拠出準備金が主として過去の取引から生じているバーゼルのグループにとって、この制限の実務上の意義は限られている。それでもこの制限は、改革が、課税標準の保護を望む州(カントン)の利益を、追加収入から恩恵を受ける年金制度の利益と結びつけたことを示している。
資本市場に対するスイスの税負担を軽減するその他の提案は、国民投票で否決されてきた。2022年2月13日、有権者は株式に対する発行印紙税の廃止を否決した。その7か月後の2022年9月25日には、スイスの債券市場の強化を目的とした債券利子に対する源泉税の改革も否決した。4 これらの投票は、2017年にすでに見られた企業および投資家向けの税制措置に対する有権者の懐疑が続いていることを示した。第II章で述べたように定期的に負債資本を調達している製薬グループが、引き続き債券の多くを外国の金融子会社を通じて発行しているのは、一部にはこの理由による。
注
- 1965年10月13日の源泉税に関する連邦法(VStG、SR 642.21)第4条および第13条(35パーセントの税率)ならびに第21条以下(スイス居住者への還付)。外国居住者への還付は、適用される二重課税防止条約に従う。要確認。 ↩
- 2008年2月24日の国民投票で承認された2007年3月23日の法人税改革法II。資本拠出原則は、2011年1月1日以降施行のVStG第5条第1bis項および直接連邦税に関する連邦法(DBG)第20条第3項に定められている。要確認。 ↩
- STAFによるVStG第5条第1ter項〜第1sexies項およびDBG第20条第4項〜第8項の改正。2011年以降のスイスへの会社移転から生じた準備金およびグループ内取引については例外がある。要確認。 ↩
- 連邦内閣官房、2022年2月13日(印紙税に関する連邦法の改正、否決)および2022年9月25日(源泉税に関する連邦法の改正、僅差で否決)の国民投票の結果。要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。