ホワイトマネー戦略とスイス銀行協会
2009年3月13日の決定が下されると、連邦参事会は、未申告の外国資産に関する業務がその法的保護を失った金融センターのための戦略を必要とした。2009年末以降、連邦財務省は、ホワイトマネー戦略(Weissgeldstrategie)として知られるようになったものを策定した。その前提は、スイス金融センターは顧客の本国の税務当局に申告された資産のみを受け入れ、管理すべきであるというものであった。この戦略は連邦参事会の金融市場政策に関するいくつかの報告書において提示され、その中には、税務コンプライアンスの原則を指針として掲げた2012年の報告書も含まれていた。1
ホワイトマネー戦略は二つの要素を組み合わせることを意図していた。将来に向けては、銀行は、未課税であると知っていた資産、または未課税であると疑うべきであった資産の受入れを拒否しなければならないという、強化されたデューデリジェンス義務を負うこととされた。過去に向けては、ルビク・モデルの源泉税協定によって、主要な相手国の顧客の既存の未申告資産を、その氏名を開示することなく適正化することとされた。ドイツがルビク協定を否決し、国際社会が情報の自動的交換へと向かうと、第二の要素は崩壊した。連邦参事会が2013年に意見聴取に付した強化されたデューデリジェンス義務は、情報の自動的交換と資金洗浄防止法の改正によってその大部分が不要となったため、後に断念された。2
スイス銀行協会は、この時期に中心的な役割を果たした。バーゼルの本部から、同協会は、連邦参事会、国際金融担当事務局、そして間接的には外国政府との交渉において銀行を代表した。その立場はいくつかの段階を経て変化した。2009年まで、同協会は銀行秘密を交渉の余地のないものとして擁護した。2009年3月の決定の後は、既存顧客の匿名性を維持する方法としてルビク・モデルを推進した。このモデルが失敗すると、すべての主要金融センターが同等の条件でこれを適用することを条件に、情報の自動的交換を世界的な基準として受け入れるに至った。3
同協会の方針転換は、会員間の分裂を反映していた。米国市場と訴追のリスクにさらされていた大手銀行は、過去を速やかに清算することを望み、透明性をその国際業務の代償として受け入れた。近隣諸国からの越境顧客への依存度がより高い多くの小規模なプライベートバンクや一部の州立銀行は、透明性によって顧客を失うことを恐れた。これらのグループ間の緊張は公然の対立をもたらし、一部の銀行グループは自らの利益を代表するために独自の団体を結成した。それでもなお、バーゼルの同協会は、危機の全期間を通じて当局の主要な交渉相手であり続けた。4
注
- 報告書「Strategische Stossrichtungen für die Finanzmarktpolitik der Schweiz」(2009年12月)および税務上適正な金融センターのための戦略に関する討議資料(2012年2月)を含む、連邦参事会のホワイトマネー戦略(Weissgeldstrategie)については、連邦財務省の公表資料を参照。要確認。 ↩
- 未課税資産の受入れを防止するための金融仲介業者の強化されたデューデリジェンス義務に関する連邦参事会の提案(2013年意見聴取)、ならびに情報の自動的交換および加重的租税犯罪の資金洗浄の前提犯罪化(2016年1月1日施行)を優先したその断念については、連邦財務省の公表資料を参照。現状は要確認。 ↩
- 2008年から2014年までのスイス銀行協会(本拠バーゼル)の役割と立場の変遷、すなわち銀行秘密の擁護からルビク協定の支持を経て、公平な競争条件の基準としての情報の自動的交換の受入れに至るまでについては、同協会の年次報告書およびプレスリリースを参照。要確認。 ↩
- 税務透明性への移行期におけるスイス銀行協会内の大手銀行、プライベートバンクおよび州立銀行の利害の相違、ならびに別団体(例えばプライベートバンクの団体や資産運用銀行の団体)の結成については、当時の報道を参照。要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。