「1000万人のスイスにノー」発議とその余波
パッケージが投票に付される前に、人の自由移動は再び試練にさらされた。スイス国民党は国民発議「No to 10 million Switzerland (sustainability initiative)」を提起した。これは、2050年までに定住人口を1,000万人未満に抑えるための措置を講じることを連邦に求めるものであった。その期日より前に人口が950万人を超えた場合には、連邦参事会は受入れを厳格化しなければならず、その措置が奏功しなかった場合には、連邦は最終的に自由移動協定を終了させなければならないとされていた。1 ギロチン条項のため、終了は6か月後に第1次二国間協定全体を終了させ、欧州連合(EU)が示唆していたとおり、新たなパッケージをも道連れにするはずであった。
この発議は2026年6月14日に投票に付され、投票率は60%近くと異例の高さであった。発議は投票者の約55%及び州(カントン)の過半数によって否決された。2 バーゼル=シュタット州では否決がとりわけ明確であり、州の結果によれば、投票者の4分の3近くが反対票を投じた。3 この結果は、1992年の欧州経済領域投票から2014年及び2020年の投票に至るパターン、すなわちバーゼルは国全体よりも強く開放に賛成票を投じるというパターンに合致している。
否決は二国間路線に対する差し迫った脅威を取り除いたが、移民をめぐる議論に決着をつけたわけではない。政治アナリストは、人口増加、住宅費及びインフラに関する懸念が、発議を否決した投票者の間でも依然として広く存在していることを指摘した。4 連邦統計局によれば、スイスの人口は2023年に900万人を超えた。その継続的な増加は、この問題を政治課題に載せ続けるであろう。5 以下で展開するシナリオにとって、2026年6月の投票は道標として読むのが最もよい。それは、多数派が人口上限のために二国間路線を放棄する意思を依然として持たなかったことを示す一方、その差は異なる文言による将来の発議の余地を残している。
注
- 国民発議「Keine 10-Millionen-Schweiz! (Nachhaltigkeitsinitiative)」。2050年までに定住人口1,000万人の上限、950万人の中間閾値、及び最後の手段として人の自由移動に関する協定(AFMP)の終了を定める連邦憲法新第73a条を提案するもの。内容は要確認。 ↩
- 発議「No to 10 million Switzerland」に関する2026年6月14日の国民投票。SRF及びswissinfoが報じた暫定結果によれば、投票者の約54.8%により否決、投票率約58.9%。数値及び州別結果は要確認。 ↩
- 2026年6月14日の連邦投票に関するバーゼル=シュタット州の最終結果。反対約73.5%、賛成約26.5%、投票率約61.5%。数値は要確認。 ↩
- 2026年6月14日の投票の分析、並びに移民及び人口増加に関する懸念の持続については、調査機関gfs.bernの投票後の論評及び当時の報道分析を参照。要確認。 ↩
- 2023年にスイスの定住人口が900万人を超えたことについては、連邦統計局(FSO)の刊行物、STATPOPを参照。要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。