二つのバーゼルの間の文化協定(Kulturvertrag)
この都市の文化機関は地域全体に奉仕しているが、その費用は主としてバーゼル=シュタット州(カントン)が負担している。第H部では、1833年のバーゼルの二つの州への分割と、都市部と農村部の両半分の間の根強い緊張について述べた。1 文化は、そうした緊張が交渉される分野の一つである。1990年代以降、両州間の文化協定(Kulturvertrag)は、バーゼル=ラントシャフト州が、その住民が利用する中核的な文化機関(バーゼル劇場やバーゼル交響楽団を含む)への拠出として、バーゼル=シュタット州に一括金を支払うことを定めている。2
この取決めは繰り返し試練にさらされてきた。2011年、バーゼル=ラントシャフト州の有権者は、バーゼル劇場の改修と運営のための追加拠出を否決した。この結果は、農村部の州において都市の文化の費用を分担する意思が低下していることの表れとして広く解釈された。3 2015年、バーゼル=ラントシャフト州が予算危機に直面し、文化拠出を半減させると発表した際、両州は暫定的な取決めに合意した。それによれば、バーゼル=シュタット州が4年間で約8,000万フランを隣州に支払い、その見返りとして農村部の州は大学と文化への拠出を維持した。4 文化協定はその後、改定された条件で更新された。その現在の金額と期間は、最新の州の決定に照らして確認すべきである。5
これらの紛争は、地域文化の構造的な問題を示している。美術館・博物館、劇場あるいは管弦楽団の便益は、その費用を負担する法域の境界をはるかに超えて及び、バーゼルの機関は、その公的資金調達に何ら寄与しないドイツやフランスからの来訪者も引き付けている。経済学者はこのような状況をスピルオーバーと呼び、関係する法域が補償について合意しない限り、資金不足につながりやすいとする。スイス連邦憲法は文化を主として州に委ねているため、このような協定が利用可能な主たる手段である。6 バーゼルの事例は、農村部の有権者が都市の機関の地域的便益を常に認識しているとは限らないため、このような協定が政治的に脆弱なままであることを示している。
注
- 1833年のバーゼル=シュタット州とバーゼル=ラントシャフト州の分離、およびその後の再統合をめぐる議論については、第C部および第H部を参照。要確認。 ↩
- 1990年代に初めて締結されたバーゼル=シュタット州とバーゼル=ラントシャフト州の間の文化協定(Kulturvertrag)、およびバーゼル=シュタット州の中核的文化機関のためにバーゼル=ラントシャフト州が支払う Kulturvertragspauschale(文化協定一括金)については、両州の刊行物を参照。日付および金額要確認。 ↩
- バーゼル劇場への追加拠出を否決した2011年のバーゼル=ラントシャフト州における投票については、バーゼル=ラントシャフト州の公式結果および当時の報道を参照。日付および対象要確認。 ↩
- バーゼル=シュタット州が2016年から2019年にかけて約8,000万スイスフランを支払い、バーゼル=ラントシャフト州がバーゼル大学への拠出および Kulturvertragspauschale を維持するとした、2015年10月の両州間の合意については、両州政府の刊行物を参照。数値要確認。 ↩
- 更新されたバーゼル=シュタット州とバーゼル=ラントシャフト州の間の文化協定と、Kulturvertragspauschale の現在の水準については、両州の最新の刊行物を参照。現状要確認。 ↩
- 連邦憲法(SR 101)第69条第1項に基づく文化に対する州の第一次的責任、および中核的文化機関のための州間の負担分担については、憲法学の文献およびスイス州文化長官会議の刊行物を参照。要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。