第一次世界大戦と会社の接収
第一次世界大戦は、バーゼル伝道会とその商事会社に危機をもたらした。伝道会と同社は中立国スイスに本拠を置いていたものの、その宣教師と職員の大部分はドイツ人であったため、英国当局はこれらを敵性事業体とみなした。1917年と1918年、ゴールドコーストとインドの英国当局はドイツ人宣教師を追放し、伝道会と商事会社の財産を管理下に置き、最終的にはこれを接収した。1
この接収は、第二次世界大戦においても現代の制裁体制においても繰り返し現れることになる問題を提起した。すなわち、中立国に所在するが、敵国の国民によって支配され、またはその職員が敵国の国民である事業体の資産をどのように扱うべきかという問題である。英国当局は、スイスの会社形態を透視して関係者のドイツ国籍に着目し、同社を敵性事業体として扱った。バーゼル伝道会とスイス政府は、伝道会と同社はスイスの機関であると主張して抗議したが、戦時中、その抗議の効果は限られていた。
戦後、伝道会と同社は、財産の返還を求めて英国当局と交渉した。インドでは、伝道会の産業事業は1919年に設立された新たな事業体であるコモンウェルス・トラスト(Commonwealth Trust)に移管され、同トラストが瓦工場と織物工房の操業を継続した。ゴールドコーストでは、商業事業は最終的に1921年に設立された再編会社であるユニオン・トレーディング・カンパニー(Union Trading Company)によって再開され、他方で伝道会の宗教活動は、バーゼルの宣教師の帰還が認められるまでの間、一部スコットランド長老派の伝道団によって引き継がれた。2 バーゼルの商事会社はバーゼル商事会社(Basler Handelsgesellschaft)として再編され、アフリカにおいて、後には他の地域においても活動を継続した。
第一次世界大戦中のバーゼル伝道会の財産の接収は、制裁法における所有・支配基準という現代の問題の先例である。スイスが適用するものを含む現代の制裁体制は、資産凍結を、設立地にかかわらず、指定された者が所有または支配する事業体に拡大している。1917年に英国当局が職員の国籍に着目して行った所有・支配の判定は、今日では株式保有、議決権、取締役会の構成その他の指標に着目して行われる。それは今なお、制裁コンプライアンスにおける最も困難な課題の一つである。3
注
- 第一次世界大戦中(1917/1918年)のゴールドコーストおよびインドの英国当局によるバーゼル伝道会とその商事会社の財産の接収、ならびにドイツ人宣教師の追放については、Wanner, 1959、バーゼル伝道会に関する文献を参照。要確認。 ↩
- バーゼル伝道商会の事業の承継者としてのコモンウェルス・トラスト(インド、1919年)とユニオン・トレーディング・カンパニー(ゴールドコースト、1921年)、およびゴールドコーストにおけるスコットランドの伝道団の一時的な役割については、Wanner, 1959を参照。年代は要確認。 ↩
- スイス制裁法(例えばウクライナ情勢に関連する措置に関する2022年3月4日の規則第15条、SR 946.231.176.72)およびEU制裁法における所有・支配基準については、第E部および第H部を参照。要確認。 ↩
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