一族のプールと議決権の支配
Rocheの無記名株式の大部分は、創業者Fritz Hoffmann-La Rocheの子孫とOeri家によって支配されており、両家はその保有株式を株主プールで拘束している。第D部第IV章および第E部第V章では、バーゼルの同族経済の文脈においてこのプールを述べた。本章にとって決定的な点は、このプールが数十年にわたり議決権株式の大きな塊を保有してきたことであり、それにより両家は、会社の経済的価値全体のわずかな割合をもって会社を実効的に支配している。この仕組みは、製薬産業における数次の再編の波を通じて、Rocheの独立を守ってきた。1
Rocheの年次報告書における開示によれば、株主プールは2021年以前には無記名株式の約45パーセントを保有していた。RocheがそれまでNovartisが保有していた無記名株式を買い戻して消却した後、議決権に占めるプールの割合は、残存する無記名株式資本のおよそ3分の2に上昇した。これにより両家は議決権の確実な過半数を得て、Rocheは、支配が創業家にしっかりと固定されている欧州の大手上場会社の一つとなった。プールの合意には、構成員間の株式の譲渡と議決権行使の調整に関する規定が含まれており、その詳細はスイスの証券取引所法が求める報告において開示されている。2
コーポレート・ファイナンスの観点からは、同族による支配は実際的な帰結をもたらす。プールの同意なしにRocheを買収することは不可能であるため、同社は敵対的買収に対する防衛を念頭に置いて貸借対照表や株価を管理する必要がない。同社は研究投資について長期的な視点に立つことができ、収益性が低下する期間を受け入れることもできる。同時に、配当方針は伝統的に、安定的かつ増加する収入に対する両家の関心によって形づくられてきており、これは年金基金その他の長期投資家の利益と一致する。したがって、議決権の集中は、Rocheの財務方針を特徴づける安定性の理由の一つである。3
注
- Hoffmann家およびOeri家のRoche株主プールについては、第D部第IV章および第E部第V章、ならびにRocheの年次報告書における主要株主に関する開示を参照。要確認。 ↩
- Roche株主プールの持株比率(2021年以前は無記名株式の約45パーセント、Novartisから買い戻した株式の消却後は約67.5パーセント)については、Rocheの2020年から2022年の年次報告書、および金融市場インフラ法(FinMIA)に基づきSIX Swiss Exchangeが公表する大量保有報告を参照。割合は要確認。 ↩
- 同族による支配がRocheの財務方針に及ぼす影響については、スイスの同族企業に関する文献および第D部第IV章における議論を参照。この評価は筆者自身のものであり、文献に照らして要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。