フランクフルトの大市と書籍の流通
バーゼルの書物の主要な市場は、春と秋の年2回開催されるフランクフルトの市であった。16世紀に、フランクフルトの市はヨーロッパの書籍取引の中心的な市場となり、そこではドイツ、スイス、フランス、イタリア及び低地諸国の印刷業者と書籍商が会合し、書物を販売し、在庫を交換し、勘定を決済した。1 バーゼルの印刷業者はライン川の船で書物をフランクフルトに送り、それをヨーロッパ全域に流通させる書籍商に販売した。
フランクフルトにおける書籍取引は信用に基づいて行われた。書物は次の市での支払いと引換えに書籍商に販売され、又は他の書物と交換された。印刷業者と書籍商の間の勘定は市のたびに決済され、残高は繰り越された。市における定期的な決済のこの制度は、商人が一定の間隔で債務を決済したシャンパーニュ及びジュネーブの中世の市の制度に似ていた。それには、信頼、記録、そして不履行債務者に対して債権を執行する可能性が必要であった。その見返りとして、それはヨーロッパの書籍取引の中心地の間に信用関係のネットワークを生み出した。
フランクフルトの市はまた、為替業務の中心地でもあった。異なる国々の銀行家と商人がそこで会合し、為替手形を振り出し、支払い、決済を行った。市の都市としてのフランクフルトの役割は、ドイツに関する姉妹巻が考察する、後の金融センターとしての役割を準備した。バーゼルの印刷業者にとって、フランクフルトの市はヨーロッパの信用・決済ネットワークへの入口であり、これらのネットワークへの参加は、バーゼルの伝統的な手工業が提供しなかった国際金融の経験を彼らにもたらした。
リヨンは、とりわけフランス及びイタリアとの取引にとって、バーゼルの書物の第二の重要な市場であった。1460年代にジュネーブの市に取って代わったリヨンの市は、書籍取引と国際銀行業の双方の中心地であり、イタリアの商会に支配されていた。バーゼルの印刷業者はリヨンに代理人と組合員を置き、一部の書物は共同で印刷され、又はリヨンの書籍商を通じて流通した。リヨンとの結びつきは、バーゼルの印刷業を、姉妹巻が記述するジュネーブの市の歴史と結びつけている。
注
- ヨーロッパの書籍取引の中心的市場としての16世紀のフランクフルト書籍見本市及びバーゼルの印刷業者の参加については、書籍取引の歴史に関する文献を参照。要確認。 ↩
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