バーゼル・カントナルバンク
州立銀行(カントナルバンク)は、プライベートバンクや株式銀行が提供しない条件で各州(カントン)の住民と経済に信用を供与するために、19世紀後半に設立された。州立銀行は州が所有し、州はその債務を州の財政によって保証した。その目的は公共的なものであった。すなわち、農業者、手工業者、小規模事業者および住宅所有者を手頃な信用によって支援し、住民に安全な貯蓄先を提供し、州の公的機関に資金を供給することである。1
バーゼル=ラント州は1864年に州立銀行を設立した。バーゼル=シュタット州は1899年にこれに続き、州法によってバーゼル州立銀行(Basler Kantonalbank)が設立された。バーゼル州立銀行の設立は政治的議論の産物であった。その議論において、市の民主主義運動および社会運動は広範な住民に奉仕する公的銀行を要求し、他方でプライベートバンカーや株式銀行は既存の機関で十分であると主張した。2
バーゼル州立銀行は、住宅ローン、貯蓄、ならびに中小企業および州に対する融資を専門とする、市の主要銀行の一つに発展した。その州保証は、預金の獲得において同行に競争上の優位を与えた。とりわけ危機の時期には、預金者は州が保証する銀行を好んだからである。それはまた競争中立性の問題を提起し、この問題は今日に至るまで州立銀行につきまとっている。
21世紀初頭、バーゼル州立銀行は、公的銀行がその伝統的な使命を超える活動に従事することのリスクを示す困難を経験した。同行は、米国人の脱税を幇助した疑いのあるスイスの銀行を対象とする米国のプログラムに関与した。同行はまた、2012年に詐欺によって顧客に損失を与えた資産運用会社のカストディ銀行であり、そのため同行に対する賠償請求が生じた。3 これらの出来事は、同行のガバナンスの変更と、その公的使命の範囲に関する議論をもたらした。同行はまた、旧Bank Coopを取得してBank Clerに改組した。Bank Clerは、バーゼル州立銀行が所有する全国規模のリテール銀行である。州立銀行の現代における位置づけについては、第E部で再び取り上げる。
注
- スイスの州立銀行、その公的使命および州保証については、スイス歴史辞典(HLS)、項目「Kantonalbanken」、および州立銀行の定義に関する銀行法第3a条を参照。要確認。 ↩
- 1899年の州法によるバーゼル州立銀行の設立とそれに先立つ政治的議論については、バーゼル州立銀行の沿革、およびHLS、項目「Basler Kantonalbank」を参照。要確認。 ↩
- スイスの銀行を対象とする米国司法省のプログラム(カテゴリー1)へのバーゼル州立銀行の参加、および同行がカストディ銀行であったASE Investmentの詐欺事件(2012年)については、バーゼル州立銀行およびスイス金融市場監督機構(FINMA)の報告書を参照。要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。