2022年のロシアと人道的適用除外
医薬品、医療機器および農産物は、ほぼすべての制裁制度において特別な地位を占めている。欧州連合(EU)、米国およびスイスは、制裁対象国の住民が不可欠な医療を奪われるべきではないとして、これらの物品を原則として貿易制限から除外してきた。適用除外は通常、一般的例外または一般許可として設計されている。しかし、これらは企業を、リストに掲載された者に資金または経済的資源を提供することの禁止から解放するものではない。したがって、ロシアの販売代理店に供給する製薬企業は、当該販売代理店、その所有者またはその取引銀行が制裁の対象となっていないかを確認しなければならない。1
2022年2月以降、バーゼルの大手グループは、不可欠な医薬品のロシアへの供給は継続する一方、その他の活動は停止すると発表した。各社の公式声明によれば、各社はロシアにおける新規の臨床試験を中止し、広告その他の販売促進活動を終了し、投資を削減した。これらの決定は法的要求を超えるものであり、評判上の考慮に加え、決済システムが西側から部分的に遮断された国で事業を行うことの困難さを反映していた。これらはまた、業界にとってなじみのあるジレンマをも示した。特定の治療に依存する患者に対する人道的義務は、企業は侵略国から撤退すべきであるという政治的期待と容易には両立しないのである。2
この分野の法律業務は、主として三つの問題に関わる。第一に、物品の分類である。人道的適用除外の対象に実際に含まれる物品のみが供給可能だからである。実験機器、特定の化学品および産業用途も有する機器は、病院向けであっても輸出禁止の対象となり得る。第二の問題は、取引相手のスクリーニングであり、リスト掲載者による企業の間接的な所有および支配も含まれる。第三は支払に関するものである。銀行はより慎重になっており、制裁対象国との取引を、たとえそれが適法であっても拒否することが多いからである。バーゼルがライフサイエンスと国際金融の双方の中心地であるという立場から、これらの問題は産業界、銀行および弁護士によって身近な距離で議論されている。3
注
- ロシアに対するEU制裁における人道的適用除外については、Council Regulation (EU) No 833/2014(改正を含む)、およびスイスのウクライナ命令の対応規定を参照。国際連合安全保障理事会決議2664(2022年)と国連資産凍結に関するその恒常的な人道的除外については、国連の文書を参照。要確認。↩
- 2022年3月以降のロシアにおける活動に関するNovartisおよびRocheの公式声明、ならびに両社の2022年度年次報告書を参照。現状は要確認。↩
- EUおよびスイスの制裁法におけるリスト掲載者による事業体の所有および支配の概念については、ロシア制裁に関する欧州委員会のFrequently Asked Questions、およびこれに対応するSECOのFAQを参照。要確認。↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。