国境を越える鉄道とトラム
バーゼルの鉄道網は、19世紀以来三国にまたがるものであった。第D編では、スイス連邦とバーデン大公国との間の1852年の条約に基づいて建設された、スイスの地にあるドイツの鉄道駅であるバーディッシャー駅(Badischer Bahnhof)について述べた。1 同駅は現在もドイツの地域線および長距離線の終着駅として機能している。他方、バーゼルSBB駅にはフランス国鉄の列車が到着するフランス区域がある。こうして、同市の主要駅は、三つの国の鉄道網の結節点という同市の位置を反映している。
地域鉄道網は1990年代に、三国にまたがる近郊鉄道であるレギオSバーン(Regio-S-Bahn)として再編され、バーゼルとヴィーゼ谷、フリックタール、ラウフェン谷およびアルザスを結んでいる。この鉄道網は、スイス、ドイツおよびフランスの鉄道会社と、運行を発注し資金を負担する地域当局との協力に依存している。2 計画中の主要プロジェクトは、バーゼルSBB駅とバーディッシャー駅を結ぶ地下接続であるHerzstück(ヘルツシュテュック)であり、これにより市内を貫通する運行が可能となり、地域鉄道網が大幅に改善されることになる。3
路面電車も再び国境を越えるようになった。2014年12月に8号線がヴァイル・アム・ラインまで延伸された後、2017年12月には3号線がサン=ルイ駅に到達した。4 これらの延伸には、資金調達、運行および適用される法規定について、バーゼル=シュタット州(カントン)、ドイツおよびフランスの当局、ならびに各基礎自治体の間の合意が必要であった。国境を越える路面電車路線は第二次世界大戦前にも存在していたが、戦後の数十年間に廃止された。その復活は、三国国境地域の新たな統合を象徴している。
国境を越える公共交通の法的問題は数多い。それらは、技術規則の適用、車両の認可、事故の責任、運賃の徴収および運転士の雇用に関わる。これらの問題は、いずれの場合も個々のプロジェクトに合わせた合意によって解決された。5 2007年に開通した、ヴァイル・アム・ラインとユナングの間でライン川を渡る歩道橋であるドライレンダー橋(Dreiländerbrücke)は、歩行者と自転車のための連絡網を完成させている。6
注
- バーディッシャー駅、およびスイスとバーデンとの間の1852年7月27日の条約については、第D編第I章を参照。 ↩
- 1997年に導入された三国にまたがるレギオSバーン・バーゼル、および運行の発注における州、ドイツおよびフランスの当局の役割については、Trinationaler Eurodistrict Baselおよび州交通局の公表資料を参照。日付は要確認。 ↩
- 計画中の地下鉄道接続Herzstück Regio-S-Bahn Basel、その計画および資金調達については、バーゼル=シュタット州およびバーゼル=ラントシャフト州ならびに連邦運輸局の公表資料を参照。現状は要確認。 ↩
- 路面電車8号線のヴァイル・アム・ラインへの延伸(2014年12月開業)および3号線のサン=ルイ駅への延伸(2017年12月開業)については、Basler Verkehrs-Betriebeおよび州交通局の公表資料を参照。日付は要確認。 ↩
- 資金調達、運行および安全に関する合意を含む、バーゼルにおける国境を越える路面電車路線の法的枠組みについては、バーゼル=シュタット州とドイツおよびフランスの当局との間の合意を参照。要確認。 ↩
- 2007年に開通したヴァイル・アム・ラインとユナングの間のドライレンダー橋(Passerelle des Trois Pays)については、両基礎自治体の公表資料を参照。日付は要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。