ノバルティス:記名株式と米国上場
Novartisは、1株1議決権の単一種類の記名株式から成る通常の資本構造を有している。その定款には議決権付き登録に関する制限が置かれており、これにより、取締役会が承認する例外を除き、いかなる株主も株式資本の一定割合を超えて議決権付きで登録されることはできない。こうした制限はスイスの大企業に一般的なものであり、もともとは望まない支配権取得から会社を守るために設けられた。記名株式はまた、会社が自らの株主を把握することを可能にし、これはインベスター・リレーションズと年次株主総会の運営にとって利点となる。1
Novartisの株式はSIX Swiss Exchangeに上場しており、また米国預託証券(ADR)の形でニューヨーク証券取引所にも上場している。各ADRはNovartis株式1株を表章し、米国の預託銀行によって発行される。ニューヨーク上場により、Novartisは、Form 20-Fによる年次報告書やサーベンス・オクスリー法の一部を含む、証券取引委員会の報告義務に服する。これらの義務はコストを伴うが、同社に世界で最も厚みのある株式市場と、米国で上場された証券の保有を好む米国の投資家へのアクセスを与える。これに対してRocheは、店頭で取引される非上場のADRプログラムのみを維持してきた。2
ニューヨーク上場の決定は、買収においても一定の役割を果たしてきた。米国で上場された株式は、米国企業の買収において対価として用いることができる。対象会社の株主は自国の市場で取引される証券を受け取ることができるからである。しかし実際には、Novartisの米国における大型買収は現金で支払われてきた。同グループの貸借対照表が十分に強固であり、かつ株式を対価とする取引は既存株主の持分を希薄化させるからである。ADRプログラムは主として、株主基盤を広げ、米国の資本にアクセスするための手段である。3
注
- Novartis AGの記名株式およびその定款における登録制限(例外を除き、議決権付き登録について株式資本の2パーセントの上限)については、Novartis AGの定款を参照。基準値は要確認。 ↩
- Novartisの米国預託証券のニューヨーク証券取引所への上場(ティッカーNVS)、Form 20-Fによる年次報告書、およびRocheの店頭ADRプログラムについては、NovartisおよびRocheの投資家向けウェブサイト、ならびに米国証券取引委員会への提出書類を参照。要確認。 ↩
- Novartisの米国における買収で現金対価が主流であることについては、Novartisの年次報告書における取引の発表を参照。要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。