司法共助と当局間の協力
資金洗浄との闘いには、国境を越えた協力が必要である。犯罪に由来する資産はしばしば複数の国を経由して移転されるため、その追跡には各国の銀行からの情報が必要となる。スイスは、国際刑事司法共助に関する連邦法および二国間・多国間条約(その中には刑事共助に関する欧州条約も含まれる)に基づき、外国に対して刑事司法共助を提供している。1 外国の検察官は、銀行書類の提出、資産の凍結、ならびに没収または返還のための資産の引渡しを請求することができる。
スイスの司法共助手続は、関係者、とりわけ口座名義人に対し、意見を聴取される権利と、外国当局への自己の書類の送付に対して不服を申し立てる権利を与えている。不服申立ては、まず連邦刑事裁判所に、特に重要な事件では連邦最高裁判所に対して行われ、送付を大幅に遅らせることがあり、この点は外国当局から批判されてきた。長年にわたり、スイス当局は手続を短縮してきた。また一定の場合には、請求を待たずに自発的に外国当局へ情報を送付することもできる。2
資金洗浄報告室(MROS)は、金融情報機関の国際ネットワークであるエグモント・グループを通じて、他国の金融情報機関と協力している。2013年に施行され2021年に拡充された資金洗浄防止法(AMLA)の改正以降、MROSは、スイスの金融仲介業者から取得した金融情報を含め、外国の金融情報機関と情報を交換することができる。3 金融情報機関間の協力は、資金洗浄に対する国際的な闘いにおいて最も効果的な手段の一つとなっている。
注
- 1981年3月20日の国際刑事司法共助に関する連邦法(国際刑事司法共助法(IMAC)、SR 351.1)、1959年4月20日の刑事共助に関する欧州条約(SR 0.351.1)。要確認。 ↩
- スイスにおける司法共助手続、関係者の不服申立権(IMAC第80e条以下)および情報の自発的送付(IMAC第67a条)については、標準的な文献を参照。要確認。 ↩
- MROSと外国の金融情報機関との国際協力(AMLA第30条以下)およびエグモント・グループへの加盟については、MROSの公表資料を参照。要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。