ルクセンブルクと安全の三角形
ルクセンブルクは、国境を越えるユニットリンク型生命保険の欧州最大の拠点となっている。同国の保険会社は、サービス提供の自由に基づき欧州連合(EU)全域の保険契約者に保険契約を販売しており、フランス、ベルギー、イタリアおよびドイツが主要市場に含まれる。ルクセンブルクの成功は、監督実務、銀行およびファンド管理会社の発達したインフラ、ならびに「安全の三角形」として知られる保険契約者保護の制度の組合せに基づいている。1
安全の三角形は三つの要素から成る。第一に、保険会社は、その責任準備金を表す資産を、監督当局の承認を受けたカストディアン銀行に預託しなければならない。第二に、保険会社、カストディアン銀行および Commissariat aux Assurances は三者間契約を締結する。この契約に基づき、カストディアンは一定の状況において監督当局の同意なしに資産を引き渡すことができず、監督当局は保険会社の状況が悪化した場合に資産を凍結することができる。第三に、保険契約者は、責任準備金を表す資産に対して法定の優先権を有する。この優先権は、保険会社の支払不能の場合に、通説的な説明によれば国および従業員を含む保険会社の他のすべての債権者に優先する。2
ユニットリンク型保険契約の投資規則は、Commissariat aux Assurances の通達に定められている。通達15/3は、外部ファンド、内部集合ファンド(fonds interne collectif, FIC)、内部専用ファンド(fonds interne dédié, FID)および特化型保険ファンド(fonds d'assurance spécialisé, FAS)を区別している。同通達はまた、投資可能資産および払込保険料に応じて、保険契約者を区分に分類している。区分が上位であるほど許容される資産の範囲は広くなる。そのため、多額の投資可能資産を有する保険契約者は、専用ファンドを通じて、最下位の区分の保険契約者には閉ざされている非上場有価証券やプライベート・エクイティなどの資産を保有することができる。同通達は、保険会社に対し、保険契約者の区分を評価し、これを文書化することを求めている。3
ルクセンブルクの制度は、同国を、他の法域が比較される基準点とした。その弱点はルクセンブルクの支配の及ばないところにある。すなわち、保険契約者の居住国における保険契約の承認である。フランスの居住者にフランスのassurance-vie制度の利点を提供するルクセンブルクの保険契約であっても、その投資設計がドイツの要件を満たさなければ、ドイツの居住者にはドイツの生命保険課税の利点を何ら提供しないことがある。そのため、ルクセンブルクの保険会社は、それぞれ特定の市場の税法に合わせて設計された国別の商品バージョンを開発している。
注
- ルクセンブルクの生命保険市場およびその国境を越える事業については、Commissariat aux Assurances(CAA)および Association des Compagnies d'Assurances et de Réassurances(ACA)の年次報告書を参照。数値は要確認。 ↩
- 保険部門に関する2015年12月7日のルクセンブルク法(改正後)、とりわけ資産の預託および保険契約者の優先権に関する規定、ならびにカストディアン銀行に関するCAAの規則を参照。要確認。 ↩
- Commissariat aux Assurances、ユニットリンク型生命保険商品の投資規則に関する通達15/3。同通達は08/1を含むそれ以前の通達に取って代わった。保険契約者の区分(有価証券資産の閾値および最低保険料によって定義される)ならびにファンド類型FIC、FID、FASおよび外部ファンドについては、同通達の本文およびその後の改正を参照。閾値および現行版は要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。