投資家としての保険会社
保険会社は、いかなる金融センターにおいても最大級の投資家の一角を占める。保険契約者に対する将来の債務を賄うために、多額の準備金を保持しているからである。とりわけ生命保険者は、給付を支払うはるか以前に保険料を徴収するため、数十年にわたって準備金を積み上げる。これらの準備金は、保険者の債務と満期および通貨が対応する資産に、安全かつ収益性のある形で投資されなければならない。
バーゼルの保険者は、その準備金を、スイスの連邦債および州債、スイスの不動産を担保とする住宅ローン、バーゼルの化学企業をはじめとするスイス企業の株式および債券、ならびに外国証券に投資した。保険者はスイスの住宅ローン市場における重要な貸し手であり、バーゼルその他のスイスの都市に大規模な不動産ポートフォリオを所有していた。その投資方針は保守的であり、準備金を投資しうる資産の種類と各種類の上限を定める監督規則によって制約されていた。1
保険準備金の投資は、保険産業を金融センターの他の部分と結びつける。保険者は、そのポートフォリオの一部を運用する銀行および資産運用会社の顧客であり、また証券の売買を仲介するブローカーの顧客でもある。保険者は上場企業の株主であり、そのガバナンスに影響を及ぼす。そして保険者は、連邦、州および企業が発行する債券の最大級の買い手の一角を占める。バーゼルでは、バロワーズその他の保険者の投資判断が、地元の資本市場に大きな影響を及ぼしている。
2008年の金融危機後の長期にわたる低金利およびマイナス金利の時期は、スイスの生命保険者を圧迫した。その債券ポートフォリオの利回りが、旧来の契約の下で保険契約者に保証された利率を下回ったからである。いくつかのスイスの生命保険者は、市場の特定の分野から撤退した。そのなかには、投資収益と給付の双方を保証していた職域年金の完全保険が含まれる。この経験は、変化する金利環境における長期保証の脆弱性を示した。第I部はこの教訓を検討する。
注
- スイスの保険者の責任準備金の投資(拘束資産、gebundenes Vermögen)および許容される投資に関する監督規則については、保険監督法(ISA、SR 961.01)第17条以下および保険監督令を参照。要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。