IADIと預金者の保護
国際預金保険協会(IADI)は、2002年5月にスイス法上の社団として設立され、その事務局はバーゼルの国際決済銀行(BIS)に置かれている。その構成員は、預金保険機関その他の預金保護制度に責任を負う当局である。その目的は、預金保険の分野における国際協力を促進し、預金保険機関その他の関係者の間の広範な国際的交流を奨励することにより、金融システムの安定に寄与することにある。1 構成員は着実に増加しており、現在では約90の法域の預金保険機関に加え、中央銀行や監督当局などの準会員およびパートナーを含んでいる。2
IADIの主要な基準は、実効的な預金保険制度のためのコア・プリンシプル(Core Principles for Effective Deposit Insurance Systems)である。最初の版は2009年6月にバーゼル銀行監督委員会と共同で公表され、2014年11月に改訂された。3 コア・プリンシプルは、預金保険機関の任務と権限、そのガバナンス、預金の保護範囲、制度の資金調達、公衆への周知、預金者への払戻し、資金の回収、および破綻に瀕した銀行の破綻処理における預金保険機関の役割を扱っている。金融安定理事会(FSB)はこれを健全な金融システムのための主要基準の一覧に含めており、そのため国際通貨基金(IMF)と世界銀行はその評価においてこれを用いている。2023年および2024年に、IADIは2023年の銀行破綻に照らしてコア・プリンシプルの見直しを開始した。この銀行破綻においては、オンライン・バンキングとソーシャル・メディアを通じた預金引出しの速さが多くの当局を驚かせた。4
スイスは、特異な構造を持つ預金保護制度を有している。それは、銀行自身により社団esisuisseを通じて組織されており、esisuisseは、払戻しが必要となった場合にのみ、制度上の上限額の範囲内で構成員から拠出金を徴収する。2021年に採択され2023年から施行されている銀行法の改正は、払戻期間を短縮し、制度上の上限額を引き上げ、銀行に対し拠出義務の半額を有価証券または現金の形で預託することを義務付けた。5 これによりスイスの制度は、IADIのコア・プリンシプルが推奨する事前積立型の制度よりも、自主規制の伝統に近いものにとどまっている。esisuisseはIADIの作業に参加しており、これによりスイスの手法は国際的な議論において意見を述べる機会を得ているが、IADIをそのモデルに転換させるには至っていない。
注
- IADI定款。IADIウェブサイトの「About IADI」。要確認。↩
- IADIウェブサイトおよびその最新の年次報告書によるIADIの構成員数。数値は要確認。↩
- BCBS and IADI, Core Principles for Effective Deposit Insurance Systems、2009年6月。IADI, revised Core Principles for Effective Deposit Insurance Systems、2014年11月。要確認。↩
- 2023年の銀行危機を受けたIADIのコア・プリンシプルの見直し。2024年および2025年の市中協議文書。状況は要確認。↩
- 銀行および貯蓄銀行に関する連邦法(銀行法、BankG)第37h条以下の預金保護に関する規定(2021年12月17日の改正により改正、2023年1月1日施行)。esisuisseの年次報告書。要確認。↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。