雇用、付加価値と保険との結び付き
バーゼル=シュタット州(カントン)の経済における金融部門の比重は、チューリッヒやジュネーブよりも小さい。BAK Economicsおよび州統計局の地域経済調査によれば、銀行、保険会社その他の金融サービスは州内の雇用の一桁台の割合を占めるにすぎない。付加価値に占める割合は同部門の生産性の高さゆえにより高いが、州の経済生産の大部分を生み出すライフサイエンス産業の割合をなお大きく下回っている。1 チューリッヒでは金融部門が同市の主導産業であり、ジュネーブではプライベートバンキングとコモディティ貿易金融がこれに匹敵する地位を占めている。
バーゼルの金融部門の中では、保険が特別な比重を有している。バロワーズ・グループは、グラールスの大火がより広範な補償の必要性を示した後の1863年に設立されたバーゼル火災保険会社(Basler Feuerversicherungs-Gesellschaft)と、その直後に設立された生命保険会社にその起源を遡る。同グループはスイス、ドイツ、ベルギーおよびルクセンブルクで事業を営み、バーゼルに本社を置いている。そのスイス子会社であるバロワーズ銀行は個人顧客に銀行サービスを提供しており、これにより保険と銀行業が一つのグループ内で結び付いている。2
2025年4月、ヘルベチアとバロワーズは、ヘルベチア・バロワーズの名称の下で統合グループとして合併する意向を発表した。この統合グループはスイス最大級の保険会社となる。発表によれば、統合後の持株会社の法律上の本店はバーゼルに置かれ、一部のグループ機能はザンクト・ガレンに置かれることとされた。3 合併が発表どおりに進めば、バーゼルは従前よりも大規模な保険グループの本社を擁することとなり、銀行部門が比重を失った時期に、金融センターの保険部門を強化することになろう。
保険と広く金融センターとの結び付きは、いくつかの点で緊密である。保険会社は、スイスの債券、住宅ローンおよび不動産における最大級の機関投資家である。その生命保険および年金事業は、家計の貯蓄と雇用者の職域年金資産をめぐって銀行と競合している。バーゼルの保険会社はまた、保険会社、銀行、資産運用会社および製薬会社の財務部門の間を移動するアクチュアリー、リスク管理者および投資専門家を雇用しており、それが金融専門人材の地域的な労働市場を生み出している。4
注
- チューリッヒおよびジュネーブと比較したバーゼル=シュタット州の雇用および付加価値に占める金融部門の割合については、BAK Economics、Statistisches Amt Basel-Stadtの調査および国際金融事務局(SIF)の報告書を参照。数値は要確認。 ↩
- バロワーズ・グループの沿革(Basler Feuerversicherungs-Gesellschaft、1863年設立、Basler Lebensversicherungs-Gesellschaft、1864年設立)、その市場およびBaloise Bank AGについては、Baloise Holding AGの刊行物を参照。日付は要確認。 ↩
- 2025年4月22日に発表されたHelvetia Holding AGとBâloise Holding AGの合併(統合グループHelvetia Baloise Holding AG、本店バーゼル)、株主および競争当局による承認ならびに取引の完了については、両社の公表資料を参照。状況は要確認。 ↩
- スイスの保険会社による債券、住宅ローンおよび不動産への投資ならびに職域年金におけるその役割については、スイス保険協会の刊行物およびスイス金融市場監督機構(FINMA)の保険市場報告書を参照。要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。