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論争:来歴、赤字とガバナンス

バーゼルの文化機関も論争を免れてはいない。過去20年間で最も重要な議論は来歴に関わるものである。第H部では、市立美術館の1939年の購入と、2020年に和解に至ったクルト・グラーザーの相続人の請求について論じた。1 近年のスイスで最もよく知られた論争であるチューリッヒのビュールレ・コレクションをめぐる論争は、バーゼルには関わらないものであった。それでもこの論争は、来歴調査、透明性、そして迫害の下で売却された作品の扱いに関して、スイスのすべての美術館・博物館に対する期待を高めた。2 文化博物館は、植民地的文脈で取得された物品について同様の問題に直面している。連邦レベルでは、連邦が研究と、問題のある過去を持つ文化遺産に関する国の委員会を支援してきた。3

第二の議論は、資金と経営に関わる。2023年および2024年、バーゼル市立美術館は相当額の営業赤字を報告し、これが政治的批判、外部評価、そして経営と統治の変更につながった。この期間に新館長が就任し、同館の財政の再建がその最初の任務の一つとなった。4 この出来事は、建物、警備、保険および貸借の費用が公的予算よりも速く増加する大規模美術館に共通する問題を示している。美術館・博物館を立地要因として頼りにする都市にとって、その旗艦館の財政的安定は、文化政策の問題であると同時に経済政策の問題でもある。

第三の議論は、私的なパトロンと公共機関との関係に関わる。美術館が少数の一族や財団からの貸与と寄贈に依存する場合、それらの一族はその展示計画に対する影響力を獲得する。彼らが撤退すれば、公的予算では埋められない空白が残る可能性がある。シュテッヘリン家の貸与作品の引揚げは、このリスクを示した。SwissFoundations や国際的な博物館団体が公表しているような美術館・財団のためのガバナンス・コードは、利益相反、収蔵品の除籍、長期貸与の条件に関する規則を通じてこれに対処している。5 一族自身にとって、貸与の条件に関する書面による合意は、作品を保有する財団の設立証書と同様に、資産計画の一部である。

注

  1. Kunstmuseum Basel の来歴に関する事案については、第H部第5章を参照。要確認。 ↩
  2. チューリッヒ美術館(Kunsthaus Zürich)のエミール・ビュールレ・コレクションをめぐる議論と、その来歴調査に関する独立評価(報告書は2024年公表)については、Kunsthaus Zürich およびチューリッヒ市の刊行物を参照。現状要確認。 ↩
  3. 植民地的文脈に由来する文化遺産に関する連邦の取組みと、問題のある過去を持つ文化遺産のための独立した連邦委員会の設置については、連邦文化局の刊行物を参照。現状要確認。 ↩
  4. 2023年について報告された Kunstmuseum Basel の赤字、その後の財政および統治の評価、ならびに2024年および2025年における館長および商業部門責任者の交代については、Präsidialdepartement Basel-Stadt および Kunstmuseum Basel のプレスリリースを参照。現状要確認。 ↩
  5. SwissFoundations の Swiss Foundation Code および ICOM 職業倫理規程(ICOM Code of Ethics for Museums)を含む、財団および美術館・博物館のためのガバナンス基準については、これらの団体の刊行物を参照。要確認。 ↩

本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。

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