DaziTとPassar:デジタル化された税関
関税行政の変革を何よりも推進したのは、DaziTと呼ばれるデジタル化プログラムである。この名称は、関税を意味するロマンシュ語のdaziと、変革(Transformation)を表すTの文字から成る。連邦議会は2017年、このプログラムと約3億9,300万スイスフランの総額予算を承認し、実施期間はおよそ10年と予定された。その目的は、すべての関税・国境手続をデジタル化し、企業と旅行者がオンラインで手続を完了できるようにし、職員を定型業務から解放してリスクベースの検査に集中させることにある。交通量の多い国境地域にとって、これはトラックの待ち時間の短縮と、実際に止められる貨物のより的確な選別を約束するものである。1
DaziTの中核は、Passarと呼ばれる新たな貨物取引システムである。これは、スイスの輸出業者と運送業者が2000年代から使用してきた従来の電子申告プラットフォームe-decおよびNCTSに代わるものである。Passarは段階的に導入されている。連邦関税・国境警備局(FOCBS)によれば、企業は2025年末までに輸出申告をPassarに移行しなければならず、その後2026年初めにe-decの輸出モジュールは停止された。輸入側は別の日程で続いた。ライン川の港の貿易・物流企業にとって、この移行には新たなインターフェース、新たなデータ構造、そして多くの場合ソフトウェア業者との新たな契約が必要であった。最初の数年の経験によれば、大規模な公共情報技術プロジェクトにおいて通例であるように、初期の不具合は相当なものであった。2
個人旅行者向けには、DaziTからアプリケーションQuickZollが生まれた。これにより、免税枠を超える商品を国境通過前にスマートフォンで申告し、関税を支払うことができる。このアプリケーションは、何千人もの住民がヴァイル・アム・ライン、レラハまたはサン=ルイで日常的に買い物をするバーゼルにおいて、特に重要である。許容量を超える食肉や、総額が付加価値税の免税枠を超える商品を持ち帰る旅行者は、料金をデジタルで精算し、緑のレーンを利用することができる。その根底にある原則は、申告を時間的に前倒しし、物理的な国境から切り離すことであり、これにより通関地点の職員は、すでに提出された申告のごく一部を確認するだけでよくなる。3
デジタル変革は、過小評価されやすい法的帰結をもたらす。申告が電子的に行われ、自動的に審査されるようになると、帰属、誤りに対する責任、およびシステムデータの証拠価値の問題が中心的なものとなる。輸入者に代わって申告を提出する運送業者、それを送信するインターフェースを提供するソフトウェア業者、そして検査なしに商品を引き渡す職員は、いずれも、紙ベースの旧来の法が十分に想定していなかった役割を果たしている。次節で論じる新たな関税法令は、これらの問題に答えるために設計された。その命令が実務で試されるまでは、一定の法的不確実性が残るであろう。4
注
- 2017年に議会が採択したDaziTプログラムの総額予算に関する連邦決議。約3億9,300万スイスフランという金額および予定期間については、2017年2月15日のDaziTに関する連邦参事会教書およびスイス連邦会計検査院の報告書を参照。数値および現状は要確認。 ↩
- Passarおよびe-decの置換については、FOCBSの情報「Passar – what companies need to know」および2024年と2025年のDaziT経済界支援グループ(Begleitgruppe Wirtschaft)の議事録を参照。2026年1月1日のe-dec Exportの停止については、economiesuisse, „Jahrelange Debatte zum Zollgesetz findet erfolgreichen Abschluss“, 2025を参照。現状は要確認。 ↩
- 2019年から段階的に導入されたQuickZollアプリケーションについては、FOCBSのウェブサイトを参照。要確認。 ↩
- 完全にデジタル化された関税手続が提起する法的問題については、2022年8月24日の関税法全面改正に関する連邦参事会教書およびスイス関税法に関する文献を参照。現状は要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。