利子の比較倫理:イスラムの禁止
利息をめぐる議論はキリスト教の伝統に限られない。イスラム法はribaを禁じている。これは貸付に対する利息と、交換における一定の形態の不当な利得を包含する概念である。イスラム法は、利息の支払を回避する利益分配、リース、原価加算型販売及び資産担保証券に基づく金融の仕組みを発展させてきた。1970年代以降大きく成長したイスラム金融は、今日、資産規模が数兆米ドルと推計される産業であり、湾岸諸国、マレーシアその他のムスリムが多数を占める国々に集中しているが、ロンドン、ルクセンブルクその他の西側の金融センターにも存在している。1
イスラムの利息禁止は、カルヴァンが退けた中世キリスト教の禁止といくつかの点で似ている。いずれも聖典に基づき、いずれも困窮者の搾取を断罪し、いずれも利息付き貸付以外の手段を通じて経済活動に資金を供することを可能にする法技術を生み出してきた。一方当事者が資本を、他方当事者が労務を提供し、利益を分配する組合であるイスラムのmudarabaは、中世のcommendaに似ている。リースであるijaraは定期金契約に似ている。イスラム金融商品の宗教法への適合性を認証する学者委員会は、中世の契約の適法性を評価した教会法学者を想起させる。
中東、アジア及びアフリカの顧客に奉仕するスイスの金融センターにとって、イスラムの金融倫理は実務上の問題である。スイスの銀行と資産運用会社は、それを必要とする顧客にイスラム法に適合する商品を提供している。スイス法は、契約と金融規制の一般的な枠組みの中でこれらの商品を受け入れている。スコラ学者からカルヴァンを経て現代の信用法に至るキリスト教の利息論争の歴史は、多くの西側の法律家にとってなじみのない仕組みの論理を実務家が理解する助けとなる。それはまた、信用の倫理があらゆる文明が答えなければならなかった問いであり、その答えは異なっていても、公正と弱者の保護への関心を共有していることを示している。
注
- ribaの禁止とイスラム金融の手段(mudaraba, musharaka, ijara, murabaha, sukuk)、並びにイスラム金融産業の規模については、イスラム金融サービス委員会(Islamic Financial Services Board)の報告書を参照。数値は要確認。 ↩
本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。