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集団行動と民間部門

同研究所の特色ある貢献の一つは、汚職に対する集団行動(コレクティブ・アクション)に関するものである。その考え方は簡単に述べることができる。競合他社が賄賂を支払っている市場で賄賂の支払いを拒む企業は、取引を失うリスクを負う。そのため、個々の企業の誠実さは経済的には不合理となりうる。ある業界の競合各社が共通の基準に合意し、相互に監視し、違反を通報する仕組みを設ければ、このジレンマは解消する。集団行動の取組みにはいくつかの形態があり、汚職防止宣言や特定の調達案件のためのインテグリティ協定から、認証と外部監視を伴う長期的な連合にまで及ぶ。1

Basel Instituteは、この分野における主要な専門拠点の一つとなっている。同研究所は集団行動に関するオンライン・プラットフォームを運営している。このプラットフォームはG20の経済界対話であるB20の支援を受けて開発されたもので、世界各地の取組みに関する情報を収集している。同研究所は集団行動に関する国際会議を開催し、取組みのデータベースを維持し、企業や業界団体がこうした枠組みを設け、評価する際に助言を行っている。さらに、執行当局がコンプライアンス・プログラムの適切性を評価する際に、企業の集団行動への参加をどのように有利に考慮すべきかという問題にも取り組んできた。この活動には、Mark PiethのOECD贈賄作業部会における経験が反映されている。同作業部会では、1997年のOECD外国公務員贈賄防止条約を通じて、汚職の供給側、すなわち賄賂を支払う企業が国際的規制の対象となった。2

集団行動は、バーゼル地域の産業にとって特別な意義を持つ。第G部で検討する製薬企業は、ほぼすべての国で公的医療制度、病院、規制当局と関わっている。その販売・流通の慣行は、米国その他において繰り返し汚職対策の執行の対象となってきた。3か国にまたがるこの地域のコモディティ取引会社、物流会社、エンジニアリング会社も同様のリスクに直面している。これらの分野における業界規範や集団的取組みは共通の基準の設定に役立つが、その実効性は監視と制裁にかかっている。ライフサイエンス産業における贈賄防止コンプライアンスについては、第G部第V章で改めて取り上げる。3

注

  1. 汚職に対する集団行動の概念(汚職防止宣言、インテグリティ協定、原則に基づく取組み、認証を行う企業連合)については、World Bank Instituteが公表した類型、Fighting Corruption through Collective Action: A Guide for Business, 2008、およびBasel Institute on Governanceの刊行物を参照。要確認。 ↩
  2. Basel Institute on Governanceが運営するB20 Collective Action Hub、その取組みデータベース、および同研究所が開催する集団行動に関する国際会議については、Collective Action Hubのウェブサイトおよび Basel Institute on Governanceの年次報告書を参照。1997年12月17日の国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約(OECD Convention on Combating Bribery of Foreign Public Officials in International Business Transactions)については、同条約の条文を参照。Hubの開設時期は要確認。 ↩
  3. 米国海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act)その他これに類する法律に基づく製薬企業に対する汚職対策の執行、および同分野の業界規範については、米国司法省および証券取引委員会の執行統計、ならびにInternational Federation of Pharmaceutical Manufacturers and Associationsの規範を参照。要確認。 ↩

本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。

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