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資産クラスとしての美術品

B部では、1516年にハンス・ホルバイン(子)が描いたバーゼルの両替商ヤーコプ・マイヤー・ツム・ハーゼンの二重肖像画と、同じ注文主の依頼による後年のダルムシュタットの聖母について述べた。後者の絵画は数世紀にわたり個人の手元にとどまり、2011年に数千万ユーロと報じられた価格でヴュルト・コレクションに売却された。バーゼルの金融業者による注文から、ドイツで売却された古典絵画として史上最高額の部類に入る売却に至るまでの来歴は、美術品がいかにして資産とみなされるようになったかを示している。近代の美術見本市は、この変容を最も目に見える形で体現する制度である。見本市は、美術品を、購入、融資、保険付保、保管および転売が可能な商品として提示するからである。1

美術品が技術的な意味での資産クラスであるか否かについては争いがある。美術品は収益を生まず、取引費用は高く、価格は観察が困難であり、その市場は流動性に乏しい。オークションにおける反復売買に基づいて美術品の長期リターンを分析した研究は、概して、株式を下回り、債券と同程度かそれ以下のリターンを示しており、変動性が大きく、データには生存者バイアスがあるとしている。Mei Moses指数などの指数は、オークションで複数回売却された作品の価格推移を測定しようとするものである。こうした限界にもかかわらず、美術品は富裕層のポートフォリオにおいて一定の位置を占めている。その主な理由は、美術品がもたらす喜びと社会的威信、インフレ期における価値保存機能、そして担保としての有用性にある。2

金融工学によって美術品の流動性を高めようとする試みの成果はまちまちである。投資家の資金をプールして作品を購入し、数年後に売却するアート投資ファンドは、いくつかの国で設定されてきたが、持続的な成功例は少ない。小口所有(フラクショナル・オーナーシップ)のプラットフォームでは、投資家が個々の作品の持分を購入することができる。最近では、作品の所有権をブロックチェーン上で取引可能なデジタル・トークンに分割する手段として、トークン化が提案されている。これらのモデルは、トークンが有価証券に該当するか否か、プラットフォームに認可が必要か否かを含め、金融市場法上の法的問題を提起する。また、対象となる作品の保管に関する実務上の問題も生じる。E部では、資産計画の文脈で暗号資産およびデジタル資産を論じた。同じ考慮はトークン化された美術品にも当てはまる。3

注

  1. ハンス・ホルバイン(子)によるヤーコプ・マイヤー・ツム・ハーゼンとドロテア・カンネンギーサーの二重肖像画(1516年)、および2011年にヴュルト・コレクションに売却されたダルムシュタットの聖母については、B部第I章およびそこに掲げた資料を参照。価格は要確認。 ↩
  2. 投資対象としての美術品のリターンとその測定に関する方法論上の問題については、Mei/Moses, "Art as an Investment and the Underperformance of Masterpieces", American Economic Review 92 (2002), 1656–1668; Goetzmann, "Accounting for Taste: Art and the Financial Markets over Three Centuries", American Economic Review 83 (1993), 1370–1376; および Renneboog/Spaenjers, "Buying Beauty", Management Science 59 (2013), 36–53 を参照。要確認。 ↩
  3. アート投資ファンド、小口所有プラットフォームおよび美術品のトークン化と、それらがスイス金融市場法(金融サービス法(FinSA)、金融機関法(FinIA)、2021年DLT法)の下で提起する問題については、スイス金融市場監督機構(FINMA)のイニシャル・コイン・オファリングに関するガイダンス(2018年)および専門文献を参照。現状は要確認。 ↩

本記事は一般的な情報提供のみを目的としています。法律上または税務上の助言を構成するものではなく、個別案件に関する助言に代わるものでもなく、弁護士と依頼者との間に委任関係を生じさせるものでもありません。本記事は2026年10月時点の法的状況を反映しています。

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