統合された監督機関
2009年1月1日以降、スイスの金融市場は単一の当局、すなわちスイス金融市場監督機構(FINMA)によって監督されている。FINMAは、三つの前身機関を統合した2007年の金融市場監督法(FINMASA)によって創設された。第一の前身機関は、銀行法に基づき1935年に設立された連邦銀行委員会であった。第二は1886年に設立された連邦保険局の後継である連邦私保険局であり、第三は自主規制機関に加盟していない金融仲介業者を監督していたマネーロンダリング防止監督当局であった。1 FINMAは独自の法人格を有する公法上の独立機関であり、ベルンに本部を、チューリッヒに事務所を置いている。FINMAは、銀行、保険会社、証券会社、ファンド運用会社、集団投資資産の運用者および金融市場インフラを監督している。2020年以降は、監督機関を通じてポートフォリオ・マネージャーおよび受託者も監督している。
銀行、保険および市場の監督を単一の当局に統合することは、1997年に創設された英国の金融サービス機構、ならびにスカンジナビアおよびドイツの他の統合監督当局のモデルに倣ったものであった。これにより、銀行業と保険業を兼営する金融グループの協調的な監督が可能となり、専門性が集約された。英国は2008年の金融危機後にこのモデルを放棄し、その監督当局をイングランド銀行内の健全性監督当局と行為規制当局とに分割した。スイスは統合モデルを維持したが、2023年のクレディ・スイス(Credit Suisse)の破綻は、FINMAの監督の実効性をめぐる議論を引き起こした。
FINMAの権限は、金融市場監督法および各業法によって定められている。FINMAは認可を付与し、法律の要件を具体化する命令および通達を発出し、立入検査を実施し、被監督機関に情報を求める。FINMAは適法状態を回復するための措置を命じ、重大な場合には認可を取り消し、機関の清算を命じる。FINMAは、個人が金融部門で上級職に就くことを禁止し、重大な違反によって得られた利益の剥奪を命じ、最終処分を公表し、調査担当者を任命することができる。2 多くの外国の監督当局とは異なり、FINMAは機関に制裁金を科すことができない。この制約について、連邦参事会はクレディ・スイスの破綻後に撤廃を提案した。
注
- 2007年6月22日のスイス金融市場監督機構に関する連邦法(FINMASA、SR 956.1)、2009年1月1日施行、連邦銀行委員会、連邦私保険局およびマネーロンダリング防止監督当局を統合。要確認。 ↩
- FINMAの執行手段(確認処分、適法状態の回復命令、利益の剥奪、業務禁止、処分の公表、調査担当者の任命、認可の取消しおよび清算)については、FINMASA第29条以下を参照。要確認。 ↩
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